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学部長挨拶

学部長 木庭卓人
学部長 木庭卓人

21世紀、私たちが解決すべき課題が食料問題と環境問題にあることはよく知られています。20世紀、人類は経済成長と技術の発達により「高度物質文明」を享受してきました。この文明のもと、私たちの生活はどんどん便利で快適なものとなりましたが、他方で都市への人口集中、国境を超えた環境汚染、有限な資源の浪費、ストレス社会の進展など社会・環境・エネルギー問題が深刻化し、「人の心」に大きなひずみをもたらしました。そのひずみは、安全で健康的な食料の安定的供給の継続に脅威を与え、食料資源・緑資源の利用や開発における国際的な調和と協力を重要な課題とするに至っています。私たちの教育と研究のキーワードは、「都市」に軸足を置いた「食と緑」、これら21世紀の深刻な課題の克服にチャレンジするものです。

国立大学の中で唯一の園芸学研究科・園芸学部として2009年に創立100周年を迎えた私たちは、古くからパイオニアとして、都市と深い関わりを持つ園芸農業と緑環境に関る分野の教育研究を行ってきました。その教育・研究の対象は、園芸作物の栽培・育成・利用技術と造園に関る技術から、生命科学(バイオテクノロジー)、環境科学へと広がり、さらに生活空間の科学や人々の身体や心の健康までを含む幅広い分野について、自然科学と社会科学・人文科学を統合した学際的なアプローチを始めています。教育課程としては、実践的な技術と理論を短期間に修得する2年制の園芸別科、「食と緑」に関する専門的な教育研究を行う園芸学部、その上にさらに高度な基礎・応用研究を究める園芸学研究科(修士課程と博士課程)という充実した教育システムが揃っています。学部-修士課程の一貫教育により、専門的な技術知識を身につけた技術者や研究者を養成し、さらに博士課程では、学際性を生かした教育により、「食と緑」に広く関連する生産者,技術者,企業,政府省庁,地方自治体,国際諸機関などで活躍する高度な組織運営能力を身につけた研究者を養成しています。

園芸学研究科・園芸学部の学舎は、ゆったりと流れる江戸川のほとり、富士山を遠望する千葉県松戸市の緑豊かな丘陵上に広がっています。このキャンパスは、都心から20分という都市環境にありながら、自然に恵まれ、多様な動植物で構成される緑溢れるキャンパスとして高く評価され、環境ISO 14001の認証を受けています。ここでは、幕末の歴史を彩る戸定邸(重要文化財)がある戸定歴史公園や浅間神社と一体となり、都市環境の中に残された極相林と美しく整備された多様な庭園という「自然の緑と創造の緑」両方と触れ合うことが出来ます。この緑あふれるキャンパスでは、生命を育み、自然を畏れ・慈しみ、また科学の道を極め、さらには国際協力に貢献しようと希望する学生・大学院生・留学生や教職員が、活力ある研鑽の日々を送っています。是非一度、園芸学研究科・園芸学部を訪れ、美しいキャンパスと私たちの活動を見ていただきたいと思います。

木庭 卓人

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