千葉大学園芸学部・花卉園芸学研究室

花卉とは

「花卉」は「かき」と読みます。

「卉」は「森」という字に似た発想で作られたようです。

「木」が少し集まると「林」、たくさん集まると「森」になり ・・・ 
「屮」が少し集まると「艸」、たくさん集まると「」になります。

」は草を意味します。
    「屮」には「サ」という音読みがありますが、訓読みはありません。人名では「てつ」と読ませています。

」は訓読みで「くさ」、音読みで「ソウ」ですから、読みは「草」と同じです。
    「艸」はあまり使われない漢字です。でも、草冠はこの字から作られました。

」は訓読みで「くさ」、音読みで「キ」です。
    もうお分かりでしょう ・・・ 「卉」は「たくさんの草」を意味しています。

このように「花卉」は「草花」と直訳できますが、実際には樹木も扱いますし、花より葉の方が重要な植物も扱いますので、私たちは「花卉」という伝統的な言葉を使っているのです。

「花卉」は「観賞植物」に近い言葉ですが、「花卉」は観賞するだけのものではない、と私たちは思います。

食べることなく、それが無くとも生活に困らない、

でもあった方が心豊かになる不思議な植物 ・・・ 
花卉とはそんな存在です。

続きは・・・ おはなのおはなし をご覧下さい(花にこだわるあなたへのメッセージ)。


関連専門用語 ver. 1.0 1999.09.02 (初めに言の葉ありき) 安藤敏夫

【花卉】と関連する専門用語をまとめておきましょう。【花卉】そのものの定義は次回にします。

花き 当用漢字に「卉」が含まれていないために、「花卉」の省略形として「花き」がしばしば使われます。
 産業人から: 杉山 晋氏(株式会社フローラ・インターナショナル)から「花き」では「花卉産業」のプライドが失われる
         という意見を頂いています。
         原 幹博氏(元愛知県総合農業試験場長)から「花卉」に代わる用語を準備すべき
         という意見を頂いています。
(はな) 「花卉」の省略形として「花」がしばしば使われます。
     この場合の「花」は植物の生殖器官としての花を意味していません。
     また、この「花」は「切り花」のことでもありません。
花卉文化 花卉に係わる文化の総体をこう呼びます。省略形が花文化(はなぶんか)です。
花卉産業 花卉に係わる産業の総体をこう呼びます。省略形が花産業(はなさんぎょう)です。
花卉園芸 私は「花卉園芸」を「花卉産業」の生産部門の呼称、と定義しています。異論はありますが。
 産業人へ: 花卉生産者には「花卉園芸」=「花卉産業」と捉える人がまだ沢山います。 
        しかし花卉生産者以外の花卉産業人は、自分の専門を「花卉園芸」と捉えていないのです。
        花卉産業は花卉園芸だけではない、という認識には重要な意味があります。
        これからの花卉生産者は、生産者以外の花卉産業人を熟知しなければ生き残れないでしょう。
        自分の生産物を自分に代わって販売してくれる相棒を忘れてはいけません。
        花卉生産者は「花卉産業」という言葉を花卉生産者の為の戦略用語と理解すべきです。
花卉園芸産業 某学会で時々使われる言葉ですが、花卉産業花卉園芸の区別が曖昧な人の創作と思われます。
この言葉が相応しくない理由を考えて下さい。
草花園芸 高校の教科書では「花卉園芸」のことを「草花園芸」(くさばなえんげい)と表現しています。
花木
 (かぼく)
花を観賞の主目的とする木本性花卉のことです。針葉樹など葉を観賞する木本は含まれません。
花弁 花卉の文字に形が似ているためか、「花卉」を「かべん」と読む人が時々います。恥ずかしいことです。

まだ認知されていませんが・・・

花世界
 (はなせかい)
花文化と花産業の総体を私はこう呼びたいと思います。ただし、まだ認知されていませんが。
「文化」の定義からすれば、「花産業」は「花文化」に含まれるはずですが・・・
   私は花文化と花産業を対等に扱いたいと思うのです。
この用語を使うと、「花世界」の両輪は「花文化」と「花産業」である、と明快に表現できます。
   花文化なくして花産業なし、花産業なくして花文化なし、ではないでしょうか。

関連記事  石井勇次のKEY WORD 【文化、産業そして文化】  「花の解体新書」 から


【観賞植物】と関連する用語をまとめておきましょう。

観賞植物 「花卉」に最も近い言葉で、観賞を主目的とした植物のことです。
「花卉」を単に「花」と略するのに対して、「観賞植物」の省略形はありません。
観賞樹 木本性の観賞植物のことで、花木を含んでいます。
観葉植物 主に葉を観賞の対象とする花卉のことです。 
歴史的に熱帯植物が観葉植物の中心だったために、葉を観賞する温帯植物をこう呼ぶにはまだ抵抗感が残っています。
温帯性針葉樹の’ゴールドクレスト’が鉢物として流通して以来、葉を観賞する温帯植物も鉢物であるなら観葉植物と呼ばれるようになりました。
観賞
 鑑賞
観賞と鑑賞は意味が違います。
  観賞: 見て楽しむこと。(広辞苑)
  鑑賞: 芸術作品を理解し、味わうこと。(広辞苑)

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