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研究内容


分子生体機能学
概要

 DDS(Drug Delivery System;薬物送達システム)とは、目標の患部に薬物を効果的かつ集中的に送り込む技術であり、確実な治療効果の発揮、適用疾患の拡大、副作用の低減、使用性の向上などをもたらす薬物治療の新しい概念である。リポソームはその内部に様々な分子を封入することができると共に、生体適合性や生分解性にも優れていることから、薬物や生理活性物質の理想的な運搬体と考えられてきた。


この研究の新規性・独創性

 糖鎖結合フラーレンは糖残基の脱保護と同時に自己組織化し、脂質二分子膜(ベシクル)を形成する。このベシクルは表面に密集して糖鎖が存在するため、糖鎖の認識能を利用できる。ベシクルの内部には空間があるため、ここに化合物を内包することで、糖鎖の生体認識能を利用したナノドラッグキャリアーとしての応用が期待できる。


産学交流を目指した応用研究

 本研究では、フラーレンベシクル内に種々の化合物を内包することに成功している。
薬剤だけでなく、X線造影剤などを内包して化合物の毒性を抑制するだけでなく、糖の認識能を生かした部位特異的な造影剤の開発が期待できる。

                



キトサナーゼ