中国新疆における高収ダイズの成長と気温との関係

礒田昭弘1)・毛紅霞2)・李治遠3)・王培武3)

1)千葉大学大学院園芸学研究科,2天業農業研究所,3石河子中亜干旱農業環境研究所)

中国新疆ウイグル自治区の乾燥地域において4年間(20022005)同一条件で,点滴かんがいを用いた栽培実験を行った.3中国品種,2日本品種を用い,成長パラメータおよび気温との関係から生育と収量について解析を行った.子実収量は200220032004年で非常に高かったが,2005年は低くなった.子実収量の年次間差違は莢数によるものであった.平均葉面積指数(LAI)と個体群成長速度(CGR)2005年が他の年より低かった.CGRは平均LAIと生育初期に,生育後半では純同化率(NAR)と有意な正の相関間関係を示した.莢数増加速度(IRP)は平均LAICGRと莢形成期に正の相関を示し,莢の形成には十分な同化産物の供給が必要なことが示された.高収量が得られた年の旺盛な成長は,莢形成期までに大きな葉面積の形成によって,生育後半は旺盛な莢の成長によって支えられていることが認められた.