ラッカセイの草型と乾物生産に関する研究 第l報 乾物生産の品種間差異について

ABOAGYE Lawrence Misa・礒田昭弘・野島博・高崎康夫・吉村登雄**.石川敏雄**(千葉大学園芸学部,**千葉大学映像隔測研究センター)

要旨:ラッカセイ11品種を圃場条件で栽培し,その乾物生産待性について検討した.用いた品種は,Virginiaタイプ(千葉43号,千葉半立),Spanishタイプ(金時,白油73),Valenciaタイプ(Valencia,飽託中粒,Tarapoto),タイプ間交雑種(ナカテユタカ,タチマサリ,関東56号,334A)である.タイプ間交雑種は莢の形成が早く,莢乾物重割合が高かった.Valencia,千葉43号,Tarapotoは莢の形成が遅かった.生育初期,個体群生長速度(CGR)は葉面積指数(LAI)と,生育後半では純同化率(NAR)と有意な正の相関を示した.NARは生育後半,莢乾物増加速度(PGR)と高い正の相関があり,sink活性が同化能カに影響を及ぽしていた.NARとLAIの間に高い負の相関があり,相互遮蔽によるNARの低下がうかがえた.最適LAIは3.2から4.0であった.単位LAI当たりの受光量はタチマサリ,関東56号が大きく,千葉43号で小さかった.Virginiaタィプは生育初期の葉面積展開が大きいが,茎葉乾物重割合が大きく,Spanish,Valenciaタイプも茎葉乾物重割合が大きく乾物生産上有利ではなかったが,タイプ間交雑種は莢の形成が早いうえ莢乾物重割合も大きく,受光効率も高く有利な特性を備えていた.

キーワード:乾物生産,最適葉面積指数,生長解析,受光量,ラッカセイ.