礒田研究室
主要研究テーマ
マメ科作物の生産性向上

マメ科作物の生産性向上
マメ科作物(ダイズやラッカセイなど)は、植物性タンパク質や植物油の供給源として大変重要な作物です.しかしイネ科作物に比べると、マメ科作物の収量はまだまだ低い水準です(表参照).そこで我々は収量を向上させるため、どのような性質、形を持った品種(理想型:ideo-type)がよいのかを考えています.様々な品種比較実験、種まきの時期、栽培密度、気象条件との関係等の実験を行い、マメ科作物の収量を向上させる理想型を作り上げようとしています.
ダイズ ラッカセイ* イネ
日本
1610
2326
6336
世界
2292
2149
4112
(単位:kg/ha, FAO yearbook 2006 *莢つき)

ダイズ(Glycine max (L.) Merill)
ダイズは中国原産の、世界で最も多く栽培されているマメ科作物です.ここ数年、日本での生産量は上昇してきていますが(23万t、2006年)、それでも自給率は5%にしか過ぎません.我々は、日本で簡単に4000kg/ha以上の収量がとれることを目標として、様々な品種比較、栽植密度、気象条件との関係について日本と中国で実験を行っています.2002、3,4年には、中国新疆で8000kg/ha以上の収量が得られました.このことがダイズの収量向上のための大きなヒントになりそうです.
8000kg/ha以上穫れた実験圃場(上段左),日中品種の比較(上段右)
有望品種(下段左),1株150個もの莢が着いた(下段右)

ラッカセイ(Arachis hypogaea L.)
ラッカセイはは南米原産の、ダイズ、インゲンマメなどに次ぐ主要なマメ科作物で、世界の熱帯〜温帯地域で作られています.日本では生産量は減少傾向にありますが、現在12,400ha(1997年)の栽培面積があり、その70%近くを千葉県が占めており、千葉県の特産品の一つとなっています.日本と中国の新しい品種を使った、新しい栽培方法(密植栽培)の開発や、生長調節剤(現在使用しているものはジベレリン生合成阻害剤)を用いて収量を上げることを行っています.
生育調節剤パクロプトラゾールを処理(右側),葉色が濃くなり,茎葉が小さくなった.
莢収量が大きく増加した(左上無処理区,右上下処理区.
中国有望品種,花育16号(右),魯花11号(左)

電話:047-308-8814
千葉大学大学院園芸学研究科
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