中国乾燥地におけるかん水システムの違いがテンサイの収量と水利用効率に及ぼす影響

礒田昭弘・小西浩徳・王培武・李治遠
食と緑の科学 60:印刷中


摘要:中国乾燥地域において、3つのかん水システム(点滴かんがい、多孔管かんがい、畝間かんがい)の違いがテンサイ(Bata vulgaris L.)の収量と水利用効率に及ぼす影響について検討した.点滴、多孔管かんがいは畝間かんがいに比べかん水頻度が多く、全かん水量は63%と少なくなった.収量はかん水処理間で有意な差異はなかったが、点滴、多孔管かんがいは70t ha-1を越え、若干大きな値であった.生育期間中のかん水量に対する全乾物重の割合(水利用効率)は、畝間、点滴、多孔質かんがいでそれぞれ4.50g kg-1、7.19g kg-1、7.57g kg-1で、点滴、多孔管かんがいは畝間かんがいに比べ60%、68%大きかった.生育期間中のかん水量と降水量に対する全乾物重の割合も点滴、多孔管かんがいは畝間かんがいに比べ36%、44%大きくなり、点滴、多孔質かんがいは水利用効率が高くなった.