パクロブトラゾール処理がラッカセイの乾物分配および葉群耕造に及ぼす影響

礒田昭弘・中里浩司・野島博・高崎康夫

ラッカセイの茎葉の過繁茂を抑制し,子実への乾物分配を高める目的で,ジベレリン生合成阻害剤であるパクロブトラゾールを用い,同化産物の各器宮への分配割合の変化と,草型への影響について検討した.供試晶種はバージニアタイプ(千葉半立,千葉43号),スパニッシュタイプ(金時),バレンシアタイプ(バレンシア)およびタイプ間交雑種(ナカテユタカ)の5品種を用いた.莢肥大初期にパクロブトラゾール400ppmを茎葉に処理した.千葉半立,千葉43号およぴナカテユタカはバレンシア,金時に比べ処理により莢乾物重割合が大きく,茎乾物重割合が小さく推移した.いずれの品種も処理区では無処理区に比べ節間が小さくなり草高がやや小さくなった.処理により千葉半立,千葉43号では中層の葉面積が大きくなり,ナカテユタカでは上層の葉面積が大きい逆三角形型の構造を示し,草型からみると群落内部への光の浸透は悪くなる傾向がみられた.収量構成要素は,一粒重を除くいずれの形質でも処理区の方が大きい傾向を示した.特に子実数が処理により増加し,品種別ではナカテユタカで最も子実収量が増加した.また,バレンシアタイプ,スパニツシュタイプよりもバージニアタイプで莢乾物重割合が高められ,子実収量が増加する効果が認められた.