吉田義明 YOSHIDA Yoshiaki

1955.11.19

博士(農学) ,経済学修士

 

<研究紹介>

 研究業績については各々相互に関連し一部重複しているが、概ね以下の3つの領域に分類できる。

(1)家族労働評価・労賃・農村労働市場に関する研究

  家族労働における低労働評価と農家労働力の低賃金の関連性を明らかにすることが研究生活を通してほぼ一貫した問題意識である。既に25年以上前に経済学分野においては農家を低賃金要因として位置づけることについて否定されている。したがってこの分野における通説批判を目的とした一連の研究ということができる。

 研究の特色は次の3つの角度からアプローチしている点である。第1に農家労働力の新規流出数分析に偏重した通説の視角を用いず、労働力需給局面ごとにより具体的に農家労働力の比重とその経済状態を分析したこと。第2に家族労働評価のあり方について、実態調査をふまえて把握し、賃労働との相互規定性を経営内部の諸指標をもとに分析したこと。第3に農家家族内部の分配関係まで視野にいれた分析をおこなったことである。とくに第3の視点はジェンダー論の一連の業績とも相互に関連しており現時点における主要な研究テーマとしている。

(2)地域農業・経営に関する研究

 調査地域は国内では東北、北陸、東山、関東、四国の各地域にまたがっており、海外では中国、タイ、アメリカ、オランダ等の園芸産地を網羅しつつある。また作目も花卉、果樹、野菜、水稲など多岐にわたっているが、主要なテーマは園芸経営において担い手となっている労働力の性格に関するものである。(1)(3)の領域との関連でとりわけ女性労働力の労働評価のあり方と地域農業・個別経営において果たしている役割の研究に現在は力を注いでいる。

(3)農家女性問題に関する研究

 賃金格差構造の最低辺にあり、しかも最も被差別的である農家女性の労働評価と分配構造は(1)(2)の問題と密接に関連している。農家女性労働力の状態は農家家族形態に規定され、また同時に現在では農業の主要な担い手である農家女性の状態が園芸経営形態を規定する関係にある。今後の園芸を含めた地域農業振興のために、また家族労働評価における自立的水準の確立のためにこのような基礎的研究の必要性を感じて研究を行っている。

 

学歴 1981 専修大学経済学部経済学科 卒業

   1981 専修大学大学院経済学研究科(修士課程)経済学専攻 入学

   1985 専修大学大学院経済学研究科(修士課程)経済学専攻 卒業

   1987 東京農業大学大学院農学研究科研究生 (1989まで)

職歴 1989 千葉大学園芸学部園芸経済学科 助手

   1996 千葉大学園芸学部園芸経済学科 講師

   2002 千葉大学園芸学部園芸経済学科 助教授

賞罰 1995 日本農業経営学会賞(奨励賞)

 

学会 農業経営学会,農業経済学会, 社会政策学会,土地制度史学会 編集委員(1994より98まで),農業問題研究会幹事(1991より96まで), 農村生活学会,農作業学会,経済理論学会

 

専門 農業経営学,農業経済学,労働経済学

キーワード 家族経営,園芸経営、女性,労働市場、賃金

 

主要業績 

・「農村労働市場と農家女性労働力」『労働とジェンダー』(竹中恵美子・久場嬉子監修)

 明石書店,219-243,2001

・花卉産地における技術革新と経営分化−長野県トルコギキョウを中心として−

 農業経営研究,38-2,101-106,2000,共著

・落葉果樹産地における技術革新と経営分化−長野県中野市H地区を事例として−

 農業経営研究,38-2,107-112,2000,共著

「中核的農業地帯の雇用問題について」『現代資本主義と農業再編の課題』(保志恂・堀口健治他編著),御茶ノ水書房, 63-90,1999

・「日本農業と女性労働」『マイノリティとしての女性史』近代を読みかえる第1巻,

 三一書房,271-294,1997

『日本型低賃金の基礎構造−直系家族制農業と農家女性労働力−』

 日本経済評論社.247,1995

・「農家女性労働と家族経営」『危機における家族農業経営』(磯邉俊彦編著)

 日本経済評論社,245-265,1993

農家女性労働の現段階−直系家族制農業の変貌と農外就労−,

 社会政策学会年報37集、169-187.1993

・女性就業構造の地域性と家族経営,農業問題研究37号、11-18,1993

中核的稲作地帯における農家女性労働−M字型就労を視点として−,

 農村研究75号、22-34,1992

農作業受委託の賃金構造−委託側農作業の評価学的検討−,

 農業問題研究35号,20-32,1992

 

担当講義

学部 経済学基礎論C,園芸経営学各論U、園芸経営学演習

大学院自然科学研究科 園芸経営技術学特論U,経営計算学(家族経営論へ変更予定)

別科 園芸経営U

 

趣味

将棋、へらぶな釣り、サッカー観戦等、各々の領域で有段者を「自認」している。