生物学 I

6月20日の授業の質問と回答

Q. 群は分類階級のどこに入るのですか?
A. 系統樹がより正確に推定できるようになるとどのクレードをどの分類階級に当てはめるか、という問題が生じてきました。系統樹がすべて均等に2分岐していればいいのですが、アンボレラやスイレン目のように古くに分岐して種の数が少ないグループが普遍的な存在だと判明したので、これらに対応する階級を当てはめると階級の数が多くなり、従来の階級だけでは足りなくなります。そこで、単系統ではあるが、包含関係を明示しないグループの名前として「群」を使うようになりました。これは国際植物命名規約にはありませんので正式な学名ではないのですが、系統を扱う論文では一般的になっています。そこで、このような名前を正式に発表するためのPhyloCodeという規約づくりが始まっていますが、反対する分類学者も多く、認められるのはまだ時間がかかりそうです。

6月20日の授業スライド

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授業スライド(PDF形式)


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2012年7月17日作成、2012年7月18日更新

國分 尚
hkokubun at faculty.chiba-u.jp