生物学 I
4月18日の練習問題について
授業で使った練習問題はScience誌に掲載されたBaum et al. (2005) The tree-thinking challengeという論文のオンライン補足ファイル(supplement material)です。このファイルにはもっと多くの問題とその正解も入っています。これらのリンク先へは千葉大学の学内ネットワークに接続しているコンピュータからでないと行けないと思います。
正解
- b. 緑藻 (green alga) とコケ (moss) の共通祖先Xと緑藻と紅藻 (red alga) の共通祖先YではXのほうがより新しい。
- b. ワニ (crocodile) とトリの共通祖先Xとワニとトカゲ (lizard) の共通祖先YではXのほうがより新しい。
- c. アザラシ (seal) とウマの共通祖先とアザラシとクジラの共通祖先は同じ。アザラシとウマの間で系統樹の枝を180°回転させてみると直感的にわかりやすいかも。
- d. bとcも共通祖先ではあるが、most recentではない。
- c. サケとマスはお互いによく似ており、系統樹の他の動物とは違う共通祖先をもつと考えられる。ただし、厳密にはこれらの共有派生形質を示すことが必要。共有派生形質がない場合はa、bまたはdが正しいことも考えられる。
- d. dの系統樹ではヒトとコウボキン(yeast)の関係が元の系統樹と合っていない。
- c. B, C, D, Eの関係に注目。
- a. BとCの分岐の順番に注目。
- d. 祖先形質がlong tail, ear flaps, external testes, fixed claws (長い尾、耳たぶ、腹腔外睾丸、固定爪)で、ここからSea lion (アシカ)に向かって形質の変化をたどると、dになる。
- a. 祖先形質がherb without leaves or seeds (草本、葉も種子もない)で、求められている形質はtree habit and lacks true leaves (木本、葉をもたない)。まず、木本になるのはLepidodendron (リンボク、化石植物)、Oak (カシ)、Yew (イチイ)。系統樹中、2カ所でこの変異が起きていることに注意。葉がないのはLepidodendron、Clubmoss (ヒカゲノカズラ)、Psilotum (マツバラン)。マツバランは一度獲得した葉を失っていることに注意。これらのうち、両方を満たすのはLepidodendronとなる。
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2008年6月25日作成、2012年6月20日更新
國分 尚
hkokubun at faculty.chiba-u.jp