カシミール3Dの使い方

「カシミール3D」は杉本智彦氏によるフリーの3D地図ソフトで、地図データをパソコン画面上で美しく表示することに主眼を置いている。論文掲載用の地図作成ツールとはベクトルが異なるが、GPSデータを簡単に表示するには使いやすく優秀なソフトである。ここでは、花卉研究室での利用法を紹介する。「カシミール3D」のホームページはこちら。

目次

  1. 採集地点のGPSデータを利用して分布図を作成する
    1. 既にある緯度経度のデータを使う場合
    2. GPSユニットから直接読み込む場合
  2. 国境、道路、都市を表示する

１．採集地点のGPSデータを利用して分布図を作成する

A．既にある緯度経度のデータを使う場合

A1．数が少ない場合

  1. 「編集」メニューから「GPSデータ編集」を選ぶ。GPSデータエディタが表示される。「GPSデータ編集」が灰色で表示されて選択できないときは「ファイル」->「新規」->「GPSデータ」を選んでからGPSデータエディタを表示する。
  2. ウェイポイントを追加し、座標を手で入力する。

A2．数が多い場合

  1. ExcelでA列に植物番号、種名など、B列に緯度をddmmss、C列に経度をdddmmssの形式で入力する。北緯・南緯や東経・西経の区別は計算式で指定するので、ここでは気にしない。
  2. 1行目に見出しを入れ、2行目からデータを入れた場合、D2のセルに計算式、="ORD=POI/tex="&A2&"/ido="&LEFT(B2,2)&"'"&MID(B2,3,2)&"'"&MID(B2,5,2)&"'0/kei="&LEFT(C2,2)&"'"&MID(C2,3,2)&"'"&MID(C2,5,2)&"'0/alt=+0/col=12/pda="&TEXT(TODAY(),"d-mmm-y")&"/pti="&TEXT(NOW(),"hh:mm:ss")　を入力する。
    LEFT(...)とMID(...)の間などにあるのはダブルクオーテーション、シングルクオーテーション、ダブルクオーテーションの３文字なので注意。
  3. 1行目からデータを入れた場合はD1のセルに入る計算式は上のA2、B2、などがすべてA1、B1、等になるので注意する。
  4. この計算式を他のD列のセルにコピーする。
  5. 緯度が南緯のときは"/ido="を"/ido=-"とし、経度が西経のときは"/kei="を"/kei=-"とする。
  6. D列を選択し、コピーする。別の空いているシートのa1セルに移る。
  7. 右クリック（MacではControl-クリック）でメニューを表示し、「形式を選択してペースト」を選ぶ。
  8. 「値」を選択してペーストする。
  9. ワークシート全体を保存した後、このシートをテキスト形式で保存する。拡張子は.potとする。
  10. カシミールで必要な地域の地図を開く。
  11. 「編集」メニューから「GPSデータ編集」を選ぶ。GPSデータエディタが表示される。「GPSデータ編集」が灰色で表示されて選択できないときは「ファイル」->「新規」->「GPSデータ」を選んでからGPSデータエディタを表示する。
  12. GPSデータエディタの「ファイル」から「GPSデータの読み込み」を選び、上で作った.potファイルを読み込む。

B．GPSユニットから直接読み込む場合

  1. 必要な地域の地図を表示する。
  2. GPSを接続する
  3. メニューからGPSデータの読み込み、ウェイポイントを選択する。

２．国境、道路、都市を表示する

  1. ペンシルバニア州立大学のDigital Chart of the World Serverから必要な国を選んでデータをダウンロードする。データの種類の選択画面で、Populated Places (Point)とRoads (Lines)、Drainage (Network)にチェックを入れ、Continueボタンを押す。
  2. Data Compression TypeでPC/NT (PC compression)を選び、Copumute Dataボタンを押す。
  3. Download Coverages via FTP or HTTPのFTPかHTTPのリンクからダウンロードする。通常はHTTPでよい。
  4. ダウンロードしたデータのうち、dnnet.e00が河川のデータ、ponet.e00が国境、pppoint.e00が都市、rdlines.e00が道路なので、このファイル名をそれぞれ国名_rivers.e00、国名.e00、国名_cities.e00、国名_roads.e00に変え、GISデータ用のフォルダにコピーする。１研のWindows機ではMyDocuments\GISとなっている。
  5. カシミールを起動し、ファイルメニューから「開く」->「GISツール」->「Arc/Info export(e00) ファイル」を選び、国境と河川、道路のファイルを開く。
  6. データが黄色で表示されるので、画面右側のGISツールパレットで色や線の太さを変更する。
  7. 同様に、ファイルメニューから「開く」->「GISツール」->「Arc/Info export(e00) 地名データ」を選び、都市のファイルを開く。

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2002年1月5日作成、2007年1月10日更新

國分　尚
kokubun@midori.h.chiba-u.ac.jp