含有色素成分による花色の変異


含まれる色素の違いがそのまま花の色の違いとなる場合(表2)。

 

表2 花色と構成色素

花色 構成色素 植物例
白色 なし キンギョソウ
フラボン類 ほとんどの白色花
黄色 フラボン類 ダリア、キンギョソウ、カーネーション
カロチノイド バラなど多数
ベタキサンチン類 マツバボタン、オシロイバナ
フラボン類+カロチノイド ミヤコグサ、マリーゴールドなど多数
橙、褐、赤色 カロチノイド コオニユリ
アントシアニン類 ツバキ、サルビア、ゼラニウム
ベタシアニン類+ベタキサンチン類 マツバボタン+サボテン
アントシアニン類+カロチノイド プリムラ、チューリップ
赤紫、紫色 アントシアニン類 パンジー、キキョウ
ベタシアニン類 オシロイバナ、マツバギク
緑色 クロロフィル シンビジウム、アジサイ

 

特に橙〜青色の花の多くはアントシアニン色素によっている。アントシアニンはAnthocyanidinと呼ばれるアグリコンに糖が付加した形で細胞内に存在している。アントシアニンはアントシアニジンにより以下のように色の変化を起こす(図12)。

Anthocyanidin

 

↓ ↓






Pelargonidin

Cyanidin

Delphinidin

Peonidin

Petunidin

Malvidin

→→→→青味が増す   

12 アントシアニジンB環における水酸基、メトキシル基の数と色調との関係(Bonner,1952)


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