>>>平成 5年度(1993年度)

Bambang
Sulistyantara
都市空間における温熱景(thermoscape)の特徴に関する
基礎的研究
大纏 亜実 公園・緑地における野生生物の生息施設に関する研究
概要>>> 本研究では、公園・緑地の中でも野生生物の生息に配慮した施設に着目し、管理者(自治体)及び利用者(近隣住民)の意識調査を行った。その結果、管理者側では利用者の自然への理解不足が指摘されたが、利用者側では利用経験があればその施設を好む傾向があった。よって、当該施設は、用者が自然を理解するための導入施設となる存在効果のあることが明らかになった。
成 美星 気候条件の相違から見た色彩の好みにおける地域差に
関する研究
曽 譯瑩 植栽形状の差異からみた河川イメージの形成
山下 英也 日比谷公園の設計プロセスと空間構成の特質
概要>>> 本研究では、近代都市公園のプロトタイプである日比谷公園を対象として、一連の設計案の平面形態ならびに開園後今日に至るまでの変容をトレースすることによって、その空間構成の特質を明らかにする。日比谷公の計画にあたって提案された設計案を詳細に検討することによって、敷地に想定される空間の単位性を認識し、その単位性の確立と施設の置き換えが公園プランのヴァリエーションをもたらしたことを指摘した。また本多静六による実施案では、空間の単位性ゆえにその後の変容過程において施設の置き換えが実際に行われ、結果として施設空間のパッチワークとして認識される平面構成が形成されたことを明らかにした。

>>>平成 4年度(1992年度)

茵 京禄 居住形態の相違から見た緑意識に関する研究
概要>>> 川崎市幸区新川崎駅周辺の低・中・高層の居住形態が近隣圏に混在する地域を対象に、居住形態の相違からみた居住意識と緑に対する意識構造を明らかにすることを目的としたものである。現地詞査とアンケート調査を実施し、それらを回帰分析と因子分析により解析した。その結果、居住形態別の住民の居住環境評価の構造、住民の居住に対する意識構造、緑の認識状況、緑の整備に対する意識の相違等に関する知見を得た。
木下 剛 オープンスペースからみた近世城下町の空間構成と
その近代的変容の契機
水戸市を事例として
概要>>> 本研究は、水戸市を事例として、近世城下町の空間構成とその近代以降の変容の要因を明らかにすることを目的とした。その結果、近世城下町は防衛を主目的として自然を基盤に巧みに構築されたオープンスペースシステムとして捉えられることを明らかにした。さらに近代以降、単に利便性の向上(水害、通行障害の防止)を目指したことにより、オープンスペースシステムが破綻しかけたが、近年、都市の骨格として環境保全機能を担うシステムとして評価されていることを明らかにした。
河野 和也 震災復興小公園の平面形態の構成とその特性に関する研究
概要>>> 本研究は、震災復興小公園を事例として公園の全体形がどのように成立しているかという問いを理論的に解明しようと試みたものである。そのために公園全体を樹木や施設といった微細な要素にまで分解し、それらを再び、全体のうちに位置付けてみるという方法をとった。この方法は、建築学の形態論や、言己号学における作家論(エクリチュールという概念)を参考としたものであり、公園設計の分野においてこの方法が適用できた。
高橋 靖一郎 都市環境整備における「ランドスケープ」の役割に関する考察
概要>>> 1980年代後半の都市景観の混乱を経て、建築デザインにおいて、固有の環境条件との関係を視覚的に表現する手段として「ランドスケープ」が意識され、そのデザインに根拠を与えている作品が見受けられる。その事例の研究から、都市環境整備において、良好な環境状態を顕在化させ、さらに、それを達成するための合意形成を促す概念として「ランドスケープ」の果たす役割が重要であるという知見を得ている。
平松 玲治 都市公園の需要予測モデルについて
概要>>> 都市公園の需要予測モデルを都市公園の持つ「魅力度」という概念を用いることにより構築した。「魅力度」は活字マスメディアである雑誌・一般書籍・情報誌への登場回数により決定される。モデル式は、年間利用者数を目的変数、「マスメディア登場回数」を説明変数とする回帰式で表し、それらの相関性の高さを証明した。その結果、公園利用を個人の嗜好に左右される消費行動であると考察した。

>>>平成 3年度(1991年度)

大野 直 都市におけるアトリウムの形態と空間構成に関する研究
概要>>> 本論文では我が国におけるアトリウム空間について、オープンスペース計画の観点から、空間構成の分析を行った。そして「一般的な屋外オープンスペースが持つ役割をアトリウムが担うことができることを示した。調査・分析は、都市郡のアトリウムを選び、形態分類、空間特性、利用形式、他のオープンスペースとの連続等の整理を行った。その上で、オープンスペース系統の一部としての位置づけについて考察を加えたものである。
齋藤 亜矢子 防災公園の空間構成と環境整備に関する考察
概要>>> 本論文は防災公園の空間構成とその整備が周辺地域の環境整備に与える影響に関して明らかにすることを目的としている。そこで防災公園に関する既存の分析及び防災公園の実態分析を行い、その空間構成や周辺地域のまちづくりとの関係を解明した。その結果、災害時の防災機能を担うための公園整備が平常時の地域整備や景観形成、住民奮識の高揚等に影響を与え、良好なまちづくりへと波及する可能性あること等を明らかにしている。

>>>平成 2年度(1990年度)

野口 創史 地図情報を扱った街路樹の情報管理システムについて
野口 学 公園及び緑道における夜間の利用に関する研究
概要>>> 本研究では調査対象地として日比谷公園、山下公国、グリーンパーク遊歩道を取り上げて、直接面接方式によるアンケート調査及び公園の平面図等による図上計測を行った。夜間利用を考慮した公園や緑道の計画、設計の諸条件で重要な決定要因は、「樹木被覆地率」と「照明計画」等であることが明らかになった。

>>>平成 元年度(1989年度)

清水 文朗 近世城下町の景観変容にかかわる土地の利用と経営の形態に
ついて
概要>>> 本研究では、歴史的市街地の景観を、個々の敷地における建築物とオープンスペースの構成である上部構造、それを規定する街割・宅地割を中部構造、それらの土台に相当する微地形を下部構造、の3層からなる構造として把握し、景観変容の過程を分析した。その結果、土地の経営形態の相違による宅地割(中部構造)の変化の差異が認められ、個々の敷地内郎に見られる空間構成システムの変容が介在する事を指摘した。
村井 和之 近江における守護所の立地性・形態の変化について