名前:田川 彰男

最終学歴:九州大学大学院博士課程

学位:農学博士(九州大学 甲427

学位論文:穀物および豆類用乾燥・貯蔵施設の設計に関する基礎的研究(九州大学 1988

所属:千葉大学大学院自然科学研究科

役職:教授(学部兼担)

電話番号:047-308-8847FAX兼用)

現在の研究テーマ

・園芸作物の吸水に関する研究

穀物及び豆類の吸水特性に関する研究  (継続研究中)

浸漬圧力が豆類の吸水特性に及ぼす影響 (継続研究中)

吸水に伴う体積変化          (継続研究中)

吸水時における平衡含水率       (一部スタート)

 穀物や豆類は,調理加工の前には必ず水に浸け込む操作が行われる.たとえば,炊飯前の吸水や,ぜんざいなどを作る際の吸水操作がある.このほかビールを造るときや,小麦を製粉する前操作としても吸水操作が行われている.本研究では様々な試料において,浸漬水の温度と浸漬時間の関係(吸水速度)を把握するとともに,浸漬時の圧力を変化させたら吸水速度はどうなるか,吸水時の体積は,吸水が進行するにつれてどのように膨潤するか,表面積変化はどうかなど実験,理論解析とともに画像解析等も導入して研究する.吸水時における平衡含水率を熱力学的物性値として測定し,熱力学的解析を行う.

・園芸作物の乾燥に関する研究

青果物の熱風乾燥          (一部スタート)

青果物の真空乾燥          (一部スタート)

青果物のマイクロ波乾燥       (一部スタート)

青果物のブランチング        (一部スタート)

青果物のマイクロ波によるブランチング(一部スタート)

 青果物を収穫,貯蔵するだけでなく,新たな乾燥製品を作ることを目的として研究を開始した.いろいろな乾燥野菜や乾燥果物が作られているが,全く別な品物になっていると思われる.現在,対象としている青果物は調理用トマトで,近年のイタリア食ブームで調理用トマトの利用が我が国でも増えているが,我が国ではほとんど生産されていないため,我が国で主として栽培されている生食用のピンク系トマトを代用している.調理用としてトマトは年間約7万トンが輸入されていて,その一部に乾燥トマトが入っている.これは天日乾燥で,非常に値段も高いが,色が悪く,レーズンみたいな感じがする.そこで,本研究では調理用トマトを熱風,真空,マイクロ波により乾燥して乾燥速度を測定する他,色の変化,トマトの代表的栄養分であるリコピンの変化,乾燥に伴う収縮状況,さらには復水性も調べ,調理用トマトの乾燥にはどの方法が適切か,あるいはどの組み合わせがよいかということを検討し,質的にも申し分のない乾燥トマトを作り出すための基礎研究を行っている.また,生の調理用トマトと乾燥したものとの比較を実際調理した後,官能試験を行う.また,トマトの湯通し(ブランチング)も行っており,これを基にマイクロ波によるブランチングの可能性を検討している.トマトの他,キウイフルーツの乾燥特性を熱風乾燥により測定している.

・園芸作物の物性

青果物の基礎物性          (継続研究中)

青果物の熱物性           (継続研究中)

青果物の熱力学的性質        (準備中)

青果物の力学的特性         (準備中)

青果物の電気的特性         (一部スタート)

 非常に地味な研究であるが,これらの研究は園芸作物を収穫してから食べるまでの間の選別,貯蔵,流通,加工,調理を効率的に確実に行うため,あるいはこれらの装置を設計する際に必要である.現在はこれらの装置を設計する際に,概略の物性値でもって代用しており,安全率を大きく取るため不経済である.農産物の物性はいろいろ測定され,穀物に関してはデータもかなりあるが,園芸作物に関してはデータも少なく,測定方法も確立されていないため,様々な園芸作物についてこれらの物性を測定し,測定方法の確立とデータの蓄積を目指している.とくに,円柱状青果物や球状青果物の熱物性(非定常プローブ法による熱伝導率の測定,冷水冷却法による温度伝導率の測定を行っており,今後比熱の測定も行う予定である),基礎物性である密度の測定,電気物性の一つである誘電率の測定を行っているほか,平衡含水率や青果物含有水分の相変化など熱力学性質についても近々開始する予定である.

・青果物の冷却・凍結特性

青果物のDehydro-freezing      (一部スタート)

青果物の冷却特性          (一部スタート)

青果物の凍結特性          (一部スタート)

 青果物のデハイドロフリージングでは,ダイコンを熱風,真空により,あるいはショ糖または食塩溶液に浸漬して半乾燥し,その後凍結を行って,凍結特性も調べている.すなわち,凝固点降下や凍結速度の測定,画像解析法による氷結晶の生成等の調査を行っている.青果物の冷却特性では円柱状青果物や球状青果物の温度伝導率を冷水冷却法により測定する際,同時に温度分布を測定しているほか,様々な温度条件下における冷却特性についても調べる予定である.

研究業績

(学術論文)

Tagawa, A., Y. Muramatsu, T. Nagasuna, T. Kasai, M. Iimoto and S. Murata: Volume Change of Kidney Beans Soaking in Water, Transactions of the ASAE, 45(5), 1505-1510, 2002

Tagawa, A., Y. Muramatsu, T. Nagasuna, A. Yano, M. Iimoto and S. Murata: Water Absorption Characteristics of Wheat and Barley during Soaking, Transactions of the ASAE, 46(2), 361-366, 2003

相馬眞哉、田川彰男、飯本光雄:乾燥過程における青果物の構造的特性の変化が熱伝導率に及ぼす影響、日本食品科学工学会誌、51(8)428-4342004

相馬眞哉、田川彰男、飯本光雄:乾燥過程における青果物の構造的特性の変化、日本食品科学工学会誌、51(11)577-5842004

折笠貴寛、田川彰男、中村俊輝、飯本光雄:調理用トマトの乾燥特性、農業機械学会誌、67(2)46-522005

田川彰男、村松良樹、笠井孝正、飯本光雄、村田 敏:小麦の有効熱伝導率−小麦粒子の熱伝導率推算と伝熱モデル−、農業機械学会誌、67(2)53-602005

山田龍太郎、田川彰男、飯本光雄、谷野 章:極低周波磁界がトウモロコシ種子の吸水および初期成長に及ぼす影響、農業機械学会誌、67(3)58-642005

Muramatsu, Y.A. Tagawa, T. Kasai: Effective Thermal Conductivity of Rice Flour and Whole and Skim Milk Powder, J. Food Science, 70(4), 279-287, 2005

Muramatsu, Y.A. Tagawa, T. Kasai, K. Takeya: Volume Changes of Wheat and Barley Soaking in Water, J. Food Engineering, 73(4), 364-369, 2005

Muramatsu, Y.A. Tagawa, T. Kasai: Thermal Conductivity of Several Liquid Foods,

Food Science and Technology Research, 11(3), in press, 2006

(その他の学術論文)

 英文:Trans ASAE 3編,Applied Engineering 1編,農業施設1編,紀要4

 邦文:農機誌24編,日食工誌16編,紀要4編,支部誌5

(その他)

 Proceedings 9

 報告書:15

 学会(口頭)発表 :70