イチジクの枝や幹から、虫による食害くずと思われるものが出ていました。この虫の生態と防除について教えて下さい。

 


 ご相談内容から、カミキリムシ類による被害と思われます。イチジクを加害するカミキリムシ類は4種類ほどあるようですが、大きな被害を及ぼすものはキボシカミキリとクワカミキリの2種類です。
 キボシカミキリの発生は通常年1回ですが、2回のときもあるようです。成虫は6月〜9月にかけて被害を及ぼした樹から羽化し脱出します。成虫の雌は樹の幹や主枝にかみ傷をつけて、そこに1粒ずつ卵を産み込みます。その後約10日たつと幼虫がふ化し、初め樹皮下の木質部表面を食害した後、成長に伴って木質部深くまで食入します。幼虫はそのかみ傷から粉状の糞を排出し、食害が進むと樹皮の割れ目に木屑や糞が排出されます。
 一方、クワカミキリは1世代を過ごすのに2年かかり、成虫は7月上旬〜下旬頃に発生の最盛期を迎えます。キボシカミキリとの違いは産卵の場所と食入の仕方ならびに糞の排出の仕方です。すなわち、クワカミキリの雌成虫は新梢の基部近くに最も多く産卵し、ほとんどの場合、新梢の上を向いた面にかみ傷をつけ、そこに1粒ずつ卵を産み込みます。また、キボシカミキリと同様に幼虫は約10日後にふ化しますが、すぐに木質部に食入し、樹幹部へ向かって食害しながら成長します。幼虫は枝の内部を食害しながらところどころに小さな穴を開けて、そこから糞を排出します。幼虫で2回越冬して2年目の夏に羽化します。
 上記の発生生態のように、キボシカミキリの被害は樹幹部や主枝に目立ち、幼虫は樹皮下を不規則に食害し、それが木質部に及んでいくにしたがって、樹勢が衰えて枯死してしまいます。また、クワカミキリの被害は、産卵のためにつけるかみ傷が新梢の木質部まで達するほど深いので、かみ傷の部分から枝が折れてしまうことがあり、幼虫の食害がはなはだしくなると枝枯れや樹の枯死が見られるようになります。どちらのカミキリムシによるものかはご相談内容からは明らかとなりませんが、上記を参考によく観察してみて下さい。

 防除法は、まず、樹勢が弱くなると特にキボシカミキリに加害されやすくなるので、樹勢を弱めないように維持する必要があります。
 また、農薬を使わないで防除する方法には、発生したり飛来してきた成虫を捕殺する、食入部位から針金を入れるなどして幼虫を刺殺する、被害の多い枝を切り取って成虫発生前に焼却する、クワカミキリでは産卵場所の上を木槌などでたたいて卵をつぶすなどがあります。
 一方、農薬を使う防除では、対象害虫がカミキリムシ幼虫でイチジクに農薬登録がある商品がありますので、農薬のラベルに書かれてあることを必ず守って、安全に使用して下さい。特に、農薬が葉や果実にかかると薬害が出るので、産卵部位のみに散布するよう注意してください。また、幼虫が深く食入してしまうと効果が低くなることがありますので、注意して下さい。

(回答者:小原 均)

 

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