イチゴの追肥方法(時期と量)について教えてください。 

【詳しい状況】
菜園の本を見ると、1回目の追肥時期は定植後1ヶ月、45日、1月下旬、12月などなど、マチマチです。2回目についても、1月下旬、2月上旬、2月下旬といった具合です。奈良で家庭菜園をやっており、10月中旬に定植予定です。

 

 


 イチゴの仲間は、バラ科のフラガリア属(Fragaria)というグループに属している多年草ですが、北半球及び、南半球の温帯域に12種程度が、野生しています(日本でも山へ行くと、仲間であるシロバナヘビイチゴが野生しています)。学名のフラガリアとは、香りのあるという意味で、この仲間の果実はいずれもよい香りがします。
 現在、日本で栽培し、食べているイチゴは、北米の野生種Fragaria virginiana と南米のチリに自生するF. chiloensisを基に交配改良されたものといわれています。アメリカ大陸の北と南に自生する種の種間雑種から今のイチゴが作出されたことになります。まず、17世紀初期に欧州にF. virginianaが導入され、ついでF. chiloensisも1712年にフランスに導入され、程なく英国にも伝わりました。そして、18世紀中葉にオランダでこれら両種の種間雑種が作出され、これから近代の品種が育成されたのです。欧州における栽培は、18世紀にオランダを中心にしてはじまり、米国における最初の経済栽培も19世紀初めであるとされており、世界的に見ても、極めて新しい部類の作物であると言え、急速に発展した作物であります。

 さて、イチゴの追肥時期と施肥量に関するご質問には単純な回答ができません。というのは、単純にイチゴといっても多くの品種がありますし、栽培方法もハウス栽培からトンネル、マルチというように各種のものがあるからです。イチゴは品種によりその生態が大きく異なり、花芽分化の時期や休眠に対する低温要求量が全く違いますので、ある品種を対象とした管理は、別の品種、別の作型では必要ない場合が多いのです。近年の経済栽培は、通常、促成栽培が主流ですが、促成栽培は専用の品種(栃おとめ・とのよか等)を7月上旬に採苗し、花芽分化を促進する夜冷短日処理等を経て9月上中旬に定植します。その後、10月上旬に保温開始して、10月下旬〜11月中旬から収穫を開始し、5月まで連続的に収穫する作型です。
 しかし、今回のご質問はハウス栽培ではないようですから、露地栽培を前提として回答します。露地栽培でも実際には品種やマルチの有無等により作業内容も異なるかもしれません。正確なところは、品種、作型(ハウスやマルチを使用するかどうか)、元肥の量と種類等の情報がないと十分にお答えしにくい状況にあります。

 露地栽培は、イチゴ栽培の最もオリジナルの作型で、ほとんど人為的な操作を行いません。
 8月に採苗し、ポット等で育苗し、9月から10月にかけて定植します。その後、厳冬期を越冬させ(越冬中は必要に応じて摘葉・摘芽作業をします。寒さが厳しいところでは、遮光用の寒冷紗等で寒さから守ります。)。そして、2月になって暖かくなり始めたら、畑を再度整理して株を整えるとともに、追肥・灌水してポリマルチをかぶせて地温の上昇を促します。しばらくすると新葉が展開し始めますから、必要に応じて追肥・灌水を行います。4月になると開花し、5月収穫を開始します。概ね6月中旬には栽培を終了します。
 さて、肝心の追肥の時期と量ですが、通常元肥を有機質主体で15kg〜20kg程度入れますので年内はほとんど必要ないでしょう。越冬中も厳冬期は灌水も含めてやらないのが一般的です。これは凍結により根を傷めるからです。従って、追肥はマルチをかける前(2月中下旬)に行うのがよいでしょう。マルチをかけない場合でも、少し地温・気温が上がって根が動き出してからで結構です。
 量的には少量を頻繁に与える方がよいので、成分で1〜2kgの液肥あるいは速効性の化成肥料を1週間間隔で与えると良いでしょう。実際の施肥のタイミングと量については、品種や、元肥の量、気温や天候などの気象条件、降水量などにより適値が変わりますので、葉色等を見ながら肥切れを起こさない程度に追肥しましょう。
(回答者:丸尾 達)

 

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