ランドサットを使用した緑地の抽出と可視化
1.植生指数(vegetation index)の計算
vegetation indexは,値が大きい場合,植生が多いことを示す指数である。
ランドサットの場合band3とband4の各ピクセルの値を使用して,次のようなvegetation indexが定義できる。
biband ratio = band4/band3
NDVI(normalized difference vegetation index) = (band4-band3)/(band4+band3)
vi1.exeはbiband ratio を計算するプログラムである。
band3,band4のファイル名とvegetation indexのファイル名(bivi.bmpなどの名前を設定)を入力し,calculate viボタンを押すと,計算を行う。
コントラストを変えたい場合vimax,viminの値を調節する。
vi2.exeはNDVI(normalized difference vegetation index)を計算するプログラムである。
使用法はvi1.exeと同じである。NDVIのファイル名は,ndvi.bmpなどと設定する。
課題1 首都圏のランドサットデータからbiband ratio とNDVIを計算する。できた画像から,有名な公園緑地がどこにあるかを確認する。
2.テキスチャマッピングによる三次元可視化
表面温度 フォールスカラー画像 三次元可視化画像
上の図は,表面温度の白黒を逆転したもの(白いところが値が高い)を標高データとし,フォールスカラー画像をテキスチャとして貼り付け,VRMLを使用して三次元画像として見たものである。
2.1 データの切り出し
三次元可視化を行う準備として,以下のファイルに対して可視化したい地域の切り出しを行う。
切り出しは,アクセサリ中のペイントで行えるが,Pixia
http://homepage2.nifty.com/soldier_blue/
などのソフトを使用すると便利である。
標高データ用
eband6rv.bmp band6の白黒を逆転したもの
ndvi.bmp 先ほど作成した,NDVIファイル
テキスチャデータ用
false.bmp フォールスカラー画像
temp.bmp band6に色付けしたもの
切り出しを行う際には,すべての画像が同じ箇所である必要があるので,始点と画像の大きさをメモしておき注意すること。
テキスチャデータはまずBMPで保存するが,JPEG形式に直す必要があるので,ペイントでJPEG形式で保存する。
課題2 興味のある地域のデータの切り出しを行う。データの大きさは,200x200ピクセル程度。
2.2 VRMLによる可視化
bmp2vrml.exeは標高データとするbmp形式のグレースケールファイルと,jpeg形式のテキスチャファイルから,VRMLファイルへの変換を行うプログラムである。
各ファイル名とパラメータを入力後,bmp to vrmlボタンを押すと,VRMLファイルができる。
課題3 切り出したファイルを使用して以下の2つのVRMLファイルを作成し三次元可視化を行う。
(VRMLファイル1)
標高データ eband6rv.bmp からの切り出したファイル
テキスチャデータ false.bmpからの切り出したjpegファイル
(VRMLファイル2)
標高データndvi.bmpからの切り出したファイル
テキスチャデータtemp.bmp からの切り出したjpegファイル
解説
LANDSATについて
アメリカの地球観測衛星ランドサット1号(LANDSAT-1)は,1972年(昭和47年)にアメリカが打ち上げた世界最初の地球観測衛星あり,これにより宇宙から地球を観測することの有用性が認識されるようになった。その後,2号と3号,更に発展した4号,5号と引き続き打ち上げられ,現在は7号が主力として運用されている。
搭載センサーの諸元
センサ名 |
バンド |
波長 |
種類 |
分解能 |
TM: |
Band1 |
0.45
〜0.52μm |
青 |
30m |
MSS: |
Band4 |
0.5
〜0.6μm |
緑 |
80m |
ETM+: |
Band1 |
0.45
〜0.52μm |
青 |
30m |
トルーカラーとフォールスカラー
トルーカラーTrue Color画像:赤−band3 緑−band2 青−band1 を割り当て。目で見た色に近い。
フォールスカラーFalse Color画像:赤−band4 緑−band3 青−band2 を割り当て。植生が赤で強調される。