ミズナラ実生の分布に野ネズミの環境選好が与える影響

 野ネズミがミズナラ堅果を運搬したり貯蔵したりする場合, 林床植生のない場所で岩塊や倒木周辺などの林床植生以外の隠れ場所をどの程度利用し, それがミズナラ実生の分布にどう影響するのか明らかにすることを目的としています.


【調査地の様子】
ここは大菩薩嶺の北西約3kmにある柳沢峠周辺のミズナラ林です. ここには岩塊地が分布しています.写真手前が岩塊地,奥がササ群落です.
岩塊地内は岩塊や倒木,木の根元など林床植生以外の隠れ場所が豊富なため, 野ネズミがこういった環境を堅果の貯蔵の場として利用するかどうかを調べました.


調査地内で捕獲されたアカネズミです. 捕獲調査は写真左上のようなシャーマントラップ(7.5cm×8.5cm×29.0cm)を 30個3晩仕掛けて行いました.
【捕獲調査】


【基質調査】
調査地内を1m×1mに区切り,各基質の割合を目測します.


糸巻きをつけたミズナラ堅果をいくつか仕掛け, カゴを被せて野ネズミのみ持ち去れるようにしておき,一晩置いておきます. 野ネズミが堅果を持去ると, 堅果につけた糸巻きから糸が繰り出され,運搬系路上に残ります(写真中のピンク色の糸). それを追跡していくと・・・.
【堅果の運搬経路調査@】


【堅果の運搬経路調査A】
野ネズミによる堅果の貯蔵場所がわかります.写真中の赤いものが糸巻き. 堅果は糸巻きのすぐ横のリタ−下に埋められていました.