ベタレイン Betalain
色と構造から2つのグループに分けられます。
黄色 の ベタキサンチン類Betaxanthin (図9)と 赤紫色 の ベタシアニン類Betacyanin (図10)です。
ベタレインはマツバギク、ビート、サボテンなどの中心子目(ツルナ科、ヒユ科、スベリヒユ科、ツルムラサキ科、サボテン科、アカザ科、オシロイバナ科など)にだけ局在する色素です。
フラボノイドと同様に糖類と結合していて水に溶けやすく、細胞中では液胞に含まれています。
ベタレインがフラボノイドと異なるのは、図9や図10のように色素構造の中に窒素原子を含むことです。
さらに赤や橙色の色素がないことも特徴です。しかし、赤や橙色の花色を持つサボテンやマツバギクを見たことがあるでしょう。これらは、黄色のベタキサンチン類と赤紫色のベタシアニン類が混合された色なのです。
しかも青色の色素もなく、サボテン・オシロイバナ・マツバボタンなどの青色花は未だ作出されていません。
図9 ベタキサンチン類(インディカキサンチン) | 図10 ベタシアニン類(ベタニン) |