フラボノイド Flavonoid 


橙色から 紫色を経て 青色に至るまでの 多くの花色発現に関与している アントシアニン類(Anthocyanin) (図2)と、

非常に淡い黄色から 濃黄色までの 花色に関与しコピグメント効果に重要な役割を果たしている フラボン類(Flavone)(図3)とに分けられています。


アントシアニン類は 花色だけでなく、リンゴ・ブドウ・モモなどの果実や秋の紅葉の色などにも関与しています。

さらに、細胞中では他の含有物質との働きで色素自体の色だけでなく、それ以外の多彩な色をも表現するでき、花の色素の中では最も重要なものといえます。

フラボン類はほとんど全ての花に含まれていています。さらにコケ植物以上の葉・茎など、ほとんどの器官に含まれていることが知られています。でも、多くのフラボン類が淡黄色のために他の色素(アントシアニン類やカロチノイドなど) )が存在する場合では表面的にはわからないことが多いです。実際に白色花は数例を除いてフラボン類が含まれています。

図2 アントシアニン類(クリサンテミン) 図3 フラボン類(ルチン)

フラボノイドに非常に近い仲間であるカルコン(図4)やオーロン(図5)は、 濃黄色から 橙色でダリア・ベニバナ・キンギョソウなどの黄色花の花色に関与しています。

図4 カルコン(カルタミン) 図5 オーロン(オーロシジン)

フラボノイド色素は花弁中でグルコースなどの糖類と結合した状態で含まれています。フラボノイド自体は難水溶性物質ですが、糖と結合することで水に溶けやすくなり、一般に表皮細胞の液胞に溶けた状態で存在します(図6)。

作成中 図6 花びらの中での色素の分布(点を打ってある細胞に色素が含まれている。)


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