生物学 I

4月18日の授業の質問と回答

Q. 系統樹を読む問題はテストも英語で出題されるのですか?
A. 問題は生物の種名も含めすべて日本語です。
Q. マツモ目が単子葉類でも双子葉類でもないのに単子葉類が分化した後の枝から分かれているのはなぜですか?
A. よいところに気づきました。プリントの系統樹には共有派生形質が入れてありませんので、分かりにくくなっている点があります。下の図に共有派生形質を入れました。そのうち花粉の発芽孔が三つあるというのが双子葉類の重要な共有派生形質です。(もちろん、これ以外にも共有派生形質はあります。)
説明用の簡単な系統樹
マツモ目と双子葉類の共通祖先は単子葉類の共通祖先と分かれた後、それ以前の植物はもっていた揮発性の油(主にテルペンなどからなります。松やにやコブシの葉の匂いの成分です。)を作らなくなります。その後、現在のマツモ目の共通祖先と双子葉類の共通祖先に分かれ、双子葉類の共通祖先では花粉の発芽孔がそれまでの一つから三つになります。この形質が生存にどれだけ有利だったのかは分かりませんが、双子葉類は爆発的な進化を遂げて現在に至っています。

その他の意見として、系統樹が難しい、意外に興味深い、おもしろい、読み方が初めて分かった、などがありました。これからいろいろな場面で系統樹に接する機会が増えると思いますが、類縁関係を正しく理解することが重要です。しっかり復習して下さい。

また、コウボとヒトが近縁なのに驚いた、という感想がありましたが、あくまでも植物、コウボ、ヒトの3者の関係ではコウボとヒトがより近縁である、ということです。シイタケ、コウボ、ヒトの3者で比較すれば当然シイタケとコウボの方が近縁になりますので注意して下さい。

4月18日の練習問題の正解と解説

練習問題の正解と解説


生物学トップへ | 4月18日 | 6月20日 | 7月4日 | 7月11日 | 7月18日


2012年7月17日作成、2012年7月18日更新

國分 尚
hkokubun at faculty.chiba-u.jp