研究紹介

詳しい情報については、それぞれのタイトルをクリックすると専用ページが開きます。(一部、現在作成中)

コムギの異種植物との交雑親和性に関するKr遺伝子の単離
パンコムギへ異種植物の持つ有用遺伝子を導入しようとする場合、両種間の交雑親和性が問題となります。パンコムギを雌親とした場合の交雑親和性は、パンコムギの第5同祖染色体に座乗するKr遺伝子群によって支配されていることが分かっており、現在、Kr遺伝子の構造と機能を明らかにするための研究をすすめています。

植物の染色体解析・分子系統学的解析
生物の染色体は、それぞれの種に固有の数や形態(核型)をもっています。植物間の核型をもとに植物の類縁関係や系統分化などを調べることができ、これを核型分析といいます。現在、いくつかの植物種おいて核型分析を行って、属内における種の類縁関係を調査しています。

レタス根腐病に連鎖するDNAマーカーの開発
レタス根腐病はFusarium oxysporum f. sp. lactucaeが原因の土壌伝染性病害で、長野県を中心に深刻な被害をもたらしています。本菌は3つのレースに分化しており、特にレース2の抵抗性は優性の単一遺伝子によって支配されています。抵抗性系統の育成のため、抵抗性遺伝子に連鎖したDNAマーカーの開発を目指しています。

自家不和合性の分子機構に関する研究
自家不和合性は「同じ個体の花粉を雌ずいが認識・拒絶する」という不思議な現象で、他殖を促進・自殖を抑制することで種の遺伝的多様性を維持するのに役立っていると考えられます。花粉と雌ずいでどのような遺伝子がどのように作用して自家不和合性を引き起こすかを、ナシ・リンゴなどのバラ科果樹、ペチュニアを材料に研究をすすめています。

イネの生殖関連形質の解析
栽培イネは自殖性の植物ですが、そのために交雑育種を行っても急激に遺伝的にホモかが進み画期的な遺伝子型が出現しにくく、F1品種を利用が困難といった問題があります。花粉寿命、雌ずい長、葯長といった自殖性/他殖性に関連した形質について、他殖性の野生イネと栽培イネの遺伝子を比較する研究をすすめています。

トレニアのゲノム進化機構の解明
花卉園芸植物のトレニア属は、染色体の基本数が9本と8本の種が存在します。染色体数が異なる2種の種間雑種を育成し減数分裂を観察すると、染色体基本数が異なるにもかかわらず染色体が完全に対合し一価染色体が出現することを見つけました。このような特定の染色体の増加が種分化に関与している例は知られていません。