小川 幸春 教授 博士(農学)
小川 幸春
氏名 |
小川 幸春 |
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職位 |
教授 |
学位 |
博士(農学) |
所属 | 園芸学研究院 食と緑の健康創成学講座 |
教育 |
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居室 | C棟 3階 310 |
ogwy@ faculty.chiba-u.jp |
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ホームページ | http://www.h.chiba-u.jp/machine/ogawaj.htm |
大阪生まれ、大阪育ち。1998年に鹿児島大学で学位を取得、その後、ポスドク、私大講師などを経て、2005年4月より千葉大学園芸学部に勤務しています。専門は農産食品プロセス工学。調理・加工から摂食・消化までの全プロセスにおける食品素材の変化について研究するとともに、それらの研究成果をフィードバックして各操作条件の最適化などについても検討しています。現在は特に、人工消化試験法を適用することによる植物性食品の消化特性に関する研究や、カット加工された青果物の品質維持法開発についての研究を国内外の研究機関と連携しながら重点的に進めています。
最近の主な研究テーマ
1.植物性食品の消化特性解明に関する研究
一般に食品の消化性は栄養学・医学関連分野で研究されています。しかし経験的に白米とおかゆの消化性が違うことが知られているように、調理法や加工法の違いによっても消化性は変化します。これは、調理・加工操作によって含有成分の状態変化や食品組織の構造変化などが生じることが原因とされていますが、その詳細は実際のところよく分かっていません。本研究では食品の構造的な特性、特に植物細胞の理化学的特性に着目し、in vitroの人工消化試験法を適用して、例えば硬いコメ粒が炊飯工程によって軟らかな米飯になった際の微細構造変化と消化性の関係などについて研究しています。研究手法として、顕微鏡を用いた組織構造観察、物性測定、化学的な成分分析、等を適用しています。研究対象の食材には、米などの穀物類、大豆などの豆類、寒天ゲルで作製した食品モデル、ミカンの果皮細胞を用いた植物細胞モデル、などを用いています。
2.カット青果物保蔵時の品質維持に関する研究
物理的な環境要素(温湿度、光、ガス、電磁気、音響など)は生体や食品素材に様々な影響を及ぼします。例えば、収穫後の青果物を低酸素条件下で貯蔵すると呼吸による代謝機能が低下します。これにより各種含有成分の消耗を防いで結果的に収穫時の品質を保つことになります。本研究では、ガスや光などの物理環境条件を能動的に制御することによって、カット加工された植物組織の保蔵性向上技術開発を目指しています。現在は、ガス環境と光環境それぞれがカット加工後の植物組織の生理活性に及ぼす影響について研究を進めています。カット野菜モデルとしてピーマンを用い、長期間の保蔵実験を通して各環境条件と品質要素の関係などについて調査、検討しています。
業績についてはresearchmapを参照してください。