千葉大学園芸学部
緑地・環境学科 緑地環境システム学講座 緑地生態学研究室
千葉大学大学院 自然科学研究科
博士前期課程 環境計画学専攻 緑地環境システム学講座 緑地生態学教育研究分野
博士後期課程 生物資源応用科学専攻 環境園芸システム学講座 生物資源環境生態学教育分野






研究室の紹介

 私たちの研究室では,自然緑地を主な対象として,その分布や更新, 構造,生態的機能などの基礎生態学的内容から,植生・地域フロラ変遷史,縄文時代以来の人間生活との関わり, 適切な維持管理のあり方などの広く応用に関わる領域まで,幅広い視点から教育・調査・研究を行っている.

 例を挙げると,植物の分布と環境,森林群落の更新動態,樹木の種子生産,人間生活と緑地との関わり, 緑地での動物・鳥類の生活,等である.

 さらに,最近では地球温暖化などのグローバルスケールの環境問題が深刻化してきているので, それに対応して,北東アジア全域,あるいは第三紀以降の変遷など,空間的・時間的に大きなスケールでの 植生動態学,植生地理学,植生変遷学の研究に力を入れている.

 以上のような研究を展開する上で,私たちの研究室ではフィールドワークを徹底的に重要視している. 卒業研究をはじめとして,全ての研究は必ずフィールドワークに基づくことを基本理念としている.

 極めて多くの環境問題は野外で生ずる.こうした環境問題に対して生態学の立場から適切に考察するためには, 私たちは常にフィールドからの視点を持ち続けることが重要と考えているためである.

 研究室では,卒業研究生(学部4年生)をはじめとして,構成員全ては, 研究テーマを自らのアイデアや構想に基づいてそれぞれ独自に,主体的に設定することとしている. 学部学生や大学院生に対して教官がテーマを提示することはない.

 このことは,自分で取り組みたいテーマを具体的に持っていないものにとっては, 大変厳しいことには違いない.しかし,フィールドでの生態学的現象は極めて複雑,多岐に渡るため, 実験的研究と異なり,調査の条件を厳密に設定したり,確立されたマニュアルに基づいて手堅く調査することは出来ない.

 フィールドの現象と取り組むためには,テーマ設定の段階で各自の独自性が大変に重要となるのだ. このことによって,学生諸君は,独自で生態学に関連した問題やテーマを見いだし, それによく対応したフィールドを設定し,調査方法を工夫して, 結果に基づいてオリジナルで刺激的な議論を展開できるようになる.


 日常のゼミ活動では野外巡検を重視している.これは年数回行われる. 事前に,巡検対象地域に関する地域研究を行い,生態学に関すること以外にも, 地形,地質,気候,地史,人文環境などの幅広い観点から理解を深めておく. この結果,巡検が充実したものとなっている.