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千葉大学宇宙園芸研究センターが国際的な宇宙農業ロードマップの策定に参画 - 宇宙農業の新たな国際的な指針に -

千葉大学宇宙園芸研究センターが国際的な宇宙農業ロードマップの策定に参画 - 宇宙農業の新たな国際的な指針に -

掲載日:2025/11/27

2025年11月25日、国際誌 New Phytologistに、宇宙での植物利用に関する国際的な研究ロードマップをまとめた論文Expanding frontiers: harnessing plant biology for space exploration and planetary sustainabilityが公開されました。
本論文には世界11か国の研究機関・宇宙機関から43名が参加し、千葉大学からは宇宙園芸研究センター髙橋秀幸 特任教授が日本側メンバーとして参画しています。


宇宙農業研究が描く新たなロードマップ

NASA のアルテミス計画などを背景に、宇宙空間で「食料を育て、生命を維持する技術」の重要性が高まっています。
本論文では、2024年に英国で開催された国際宇宙生命科学ワーキンググループ(ISLSWG)ワークショップの議論をもとに、宇宙での植物研究に関する主要な課題と今後の方向性を示しました。

特に、

  • 宇宙環境下での植物の反応に関する科学的知見の深化
  • 持続的で強靭な作物生産システムを構築するための優先課題
  • 合成生物学や予測モデルなど革新的アプローチの活用可能性
  • 宇宙研究から得られる技術を、地球の持続可能な農業へ応用

などが整理されており、宇宙農業の国際的な指針として期待されています。


植物を"生命維持装置"として評価する新たな指標 BRLの提案

論文では、NASA がこれまで作物研究の成熟度を評価するために用いてきたCRL(Crop Readiness Level:作物準備レベル)を発展させ、宇宙で植物が空気・水・栄養の循環など、生命維持システムとしてどれだけ機能するかを評価する新指標BRL(Bioregenerative Life Support System Readiness Level:生物再生型生命維持システム準備レベル)を提案しています。

今後は、月や火星で持続的な植物生産システムを構築するうえで、研究の進展度を共有するための国際的な共通指標としての役割が期待されています。

さらに、宇宙で求められる閉鎖環境での栽培技術や資源循環型農業は、地球上の食料生産・環境保全にも応用可能であり、宇宙研究と地球の持続可能性が密接に結びついていることが本ロードマップからも強調されています。


■論文情報

Title: Expanding frontiers: harnessing plant biology for space exploration and planetary sustainability
Journal: New Phytologist
DOI: 10.1111/nph.70662
Link: https://nph.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/nph.70662

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「生命維持システムとしての植物」 -- L. Fountain

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