【プレスリリース】能登半島地震での津波被害の実態を解明
掲載日:2025/08/25
千葉大学園芸学部の 濱 侃 助教 らの研究グループ(福岡教育大学・広島大学・中部大学・千葉大学・金沢大学)は、令和6年能登半島地震(M7.6)に伴う津波について、空中写真と現地調査を組み合わせて詳細に調査し、浸水範囲や高さ、被害の特徴を明らかにしました。
調査の結果、
・津波の浸水範囲は 3.7 km² に及ぶこと
・西岸では標高8m以上、東岸では5mを超える地点まで到達していたこと
・被害の大きさは津波の高さだけでなく、集落の立地や防波堤の有無など地域条件に左右されること
が明らかになりました。これは20世紀以降で最大規模の津波であったことも示されています。
社会への寄与
今回の成果は、津波被害のメカニズムを理解し、防災対策やハザードマップの信頼性向上に直結する重要な知見です。
特に日本海側は地震発生から津波到達までの時間が非常に短い地域であり、地域の地形や集落の立地条件を踏まえた備えの重要性が改めて示されました。
本研究成果は、国際学術誌 Earth, Planets and Space に掲載されており、公開されたGISデータは今後の防災教育や地域の減災計画に役立てられることが期待されます。
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【関連論文】
濱侃, 杉田暁, 岩佐佳哉, 中田高 (2025). 先端測量技術を用いた令和 6
年能登半島地震に伴う地盤隆起と津波浸水の記録. E-journal GEO, 20(1), 80-91.
https://doi.org/10.4157/ejgeo.20.80