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2024年度日本造園学会全国大会学生公開コンペで最優秀賞を受賞しました!

掲載日:2024/07/03

2024年度日本造園学会全国大会 学生公開コンペにおいて、環境造園デザイン学領域および環境造園計画学の学生が応募最優秀賞と優秀賞、入賞を受賞しました。
今年度の日本造園学会コンペでは、「うつろう風景」と「変わらない風景」〜時間軸の中での風景を考える〜がデザインテーマとされ、応募総数96作品の中での受賞となりました。

おめでとうございます!

学会HPはこちら
https://chubu-2024.jila-zouen.org/u30dc_award/

【最優秀賞】「地紋~淡路島粘土を生かした棚田のこれから~」
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博士後期課程の崔 景舒さん、博士前期課程の宮園 茉莉亜さん、保阪 日南子さん、山下 瑞貴さん、東京大学の西山 奈那さん
作品概要:
淡路島の棚田は、斜面の多い地形やそこを流れる水といった自然環境と、稲と玉ねぎの農作という人間の営みとが重なり合って生み出された景観である。しかし近年、高齢化や過疎化が進むにつれ棚田の利用が減少し、その伝統的な景観は消滅の危機に瀕している。そこで本案では、淡路島の伝統産業である瓦産業をささえる粘土性土壌の風化促進を新たに棚田のシステムに挿入する。採掘したばかりの土を棚田にまき、棚田の地形、土、水の流れを利用して瓦作りに適した粘り気のある土に変化させる。風化装置として新たに設計した小屋や畔、水辺空間は農家の方々や外から訪れた人々の居場所となる。変化する用途の中で、変わらない棚田風景を提案する。

【優秀賞】「心の故郷に戻る~福島第一原発 立ち入り禁止区域の次世代へ」
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博士前期課程の山本 祐子さん
作品概要:
2011年、原発の事故により、福島県全域に放射能が降り注いだ。除染で発生した汚染土壌は、原発がある大熊町に運び込まれ、2045年まで立ち入ることはできないとされる。そして土壌貯蔵施設建設のため、森や田畑は消え、かつての風景が失われた。現在、負の遺産として扱われる汚染土壌を、人と環境(原発)の関わりにより生じた大熊町の歴史の一部として捉え、教訓として継承しつつ、町の未来の風景づくりに利用する事を提案する。手法として、ブラウンフィールド再生の技術を導入し、人が再び立ち入り、汚染土壌の浄化過程を風景と見ることを可能にする。かつての町の記憶は風景として新しい世代に継承され、未来へと紡がれる。

【入賞】「茅の息吹~白川郷合掌造と共に未来を創る物語」
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博士前期課程の櫻庭 由樹さん、張 思語さん、唐渡 夏実さん、博士後期課程の林 雨炫さん、李 東霖さん(北京林業大学)
作品概要:
人々の生活や四季折々の風景を詠む俳句は、時を超えてその情景を私たちへ共有する。しかし、科学技術の発展や社会構造の変化により人々の営みが変化し、かつて原風景として詠まれた対象が姿を消すことで、その情景を将来に継承することは難しくなるのではないか。季語「茅花流し」は野原に銀白色に揺れる花穂の風景を連想させるが、現在国内の茅場は著しく減少し、茅葺屋根の戸数も減少している。本提案は、長い時間軸の中で山村の自然環境と人々の暮らしが息づく岐阜県白川村荻町を対象地に、「茅」に着目して生産から茅葺までのプロセスの風景化を行う。住民と旅行者などを巻き込み、人の営みが風景に表れ続ける白川郷の在り方を提案する。

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