木下剛教授らがアカデミック・リンク松戸の緑のテラスでCLA優秀賞を受賞しました!
掲載日:2025/01/06
千葉大学松戸キャンパスの図書館とその周辺空間をデザインした「千葉大学松戸アカデミック・リンク 緑のテラス」が、CLA(一般社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会)における優秀賞を受賞しました。
CLA賞は、環境の保全と創造に寄与する優れたランドスケープコンサルタント業務に対し、その功績を讃える賞で、本プロジェクトには園芸学部緑地環境学科の木下 剛 教授(三谷徹教授(現東京大学)、萩野一彦客員教授との共同設計)らが中心となり進められました。
受賞式は2024年11月15日に行われ、本プロジェクトのコンセプトや社会的意義が改めて評価されました。
【受賞作品「緑のテラス」の概要】
「緑のテラス」は、失われつつあったキャンパスの庭園空間を再生し、大学図書館「アカデミック・リンク松戸」と一体となったランドスケープ空間です。
本プロジェクトは、イタリア式庭園の軸を活用した平面的なデザインと、雨庭(レインガーデン)を中心とした持続可能な環境システムの導入を特徴としています。
雨水を雨庭に集め、浸透・貯留・排水抑制する仕組みは、環境負荷を低減するグリーンインフラの先進事例として高く評価されています。
また、植栽には在来種を中心に使用し、四季折々の風景が楽しめる工夫が施されています。
アカデミック・リンク松戸とフランス式庭園の中心線を横軸とし、イタリア式庭園との繋がりを縦軸として配置
アカデミック・リンク松戸からイタリア式庭園までなだらかな動線で繋がる設計
【持続可能な管理と教育の場として】
本プロジェクトでは、学生による管理組織「雨庭組」が設立され、月1〜2回の活動を通じて植栽や清掃、モニタリングを行っています。
このような取り組みにより、緑のテラスは教育の場としても重要な役割を果たしています。
【木下剛教授のコメント】
受賞に際して、木下教授は、「本プロジェクトは、建築設計との連携、戸定会・二葉会を始めとする卒業生からの技術的支援とご寄附、学生サークルを主体とする管理運営など、多くの関係者の協力と連携に支えられています。この場をお借りして改めて感謝を申し上げます。」とコメントを寄せています。
詳細はこちら(CLA JOURNAL NO.185より抜粋)
アカデミック・リンク松戸の外観と緑のテラスと雨庭
豪雨により湛水した雨庭(竣工直後)
台地の頂上に位置するこの建築に降った雨水は、「緑のテラス」によって台地に浸透しながら「雨庭」に流れ込み、地下浸透・一時留されて排水管へ流れるシステムとなっています。