de
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a
2010伊豆半島
2009新島

e
イギリスファームイン
君津市貞元ワークショップ

街歩き>栃木市

1.実施日・参加者
2010年
高田瑞星、宮下佳奈、近江屋一朗
須川陽平、増田恵、大崎ひとみ

2.まちあるき概要
 現在「重要伝統的建造物群保存地区(伝建地区)」を目指しまちづくりを行っている地区を観察し、その表現手法や行政施策、その地区の実態の理解を目的としている。
★ポイント★
・伝建地区とはどういうものかを観察する
・伝統的建造物と非伝統的建造物の混在化の問題を観察する

3.栃木市概要
■栃木市とは?
 栃木市は栃木県南部に位置し、東京から100km程度で、鉄道・車を利用する場合約1時間の距離となっている。広域間を結ぶすぐれた道路網や鉄道網を所持しており、首都圏へのアクセスは良好である。面積は約252.83平方km、人口は142,739人 (平成22年4月現在)の中核都市である。茨城・群馬・埼玉県の3県と接している。もともとは商人のまちであったが店舗の大型化、郊外化により商業は衰退し、少子・高齢化といった地方都市の問題を抱えている。

■蔵造の街並みについて
 栃木市の伝建地区選定を目指すうえで重要な地区として蔵造の街並みがある。この街並みは徳川家康日光改葬に伴う例幣使街道の整備、宿場町として発達、その後例幣使街道を中心とした短冊状の間口の狭い敷地が並び時代とともに細分化していった。全体としては、川の沿岸は巴波川舟運の発達により物資保存のための蔵が整備され、中心部は幕末の4度の大火に見舞われたため、耐火性の高い蔵造の建物が普及したものとなっている。
 また、昭和38年から「蔵のまち整備」を行っており、昭和60年から蔵づくりに関する調査が開始され、「蔵のまち」としてのまちづくりが本格的に始まっている。
 一方2006年で修景事業による補助金の貸付期限がきれ、補助対象であった歴史的建造物の今後が心配される。

4.感想
■高田瑞星
 他のメンバーは”生活感”がキーワードになっていたが、高校3年間通っていた私が久々に訪れた栃木市に対して一番感じたのは、個々のお店や人々がまちづくりに積極的で、とても活気が出てきたな、ということ。重伝建に指定されている商家町の川越などと比べたら、伝統的建造物の歴史あるまち並みとは言い難い、一般の建物との混在の激しい地域だと思う。しかし、調べたところによると、栃木市はまだ重伝建に指定されていたわけではなく、今後の選定に向けてまち全体がまちづくりに取り組んでいる最中だそうだ。残っている伝統的建造物はそれほど多くはないが、昔からある問屋さんも何軒もが今でも商売を続けているようであるし、新しいお店も、昔の建物を利用して活かし店舗づくりがなされているようだった。
 さびれた商店街があったりと、地方都市の問題も抱えてはいるが、伝統的建造物と一般のかなり古かったり新しかったりする建物が混在していることで、逆に”生活感”を感じることが出来、それがこの空間を特徴づけているのではないかと思う。混在化がテーマともなっていたが、これは悪い意味ではなく、うまく共存しているまちとして、地元の人々が日常を通してまちを盛り上げている、まちづくりとしてもなかなかいい例なのではないかと感じた。
■宮下佳奈
 栃木市には今回初めて訪れた。栃木県といえば宇都宮市・宇都宮駅周辺に行く機会はあったが、風景の雰囲気は少々異なっていたように感じた。栃木市は蔵造りの街並みを対象に伝建地区に指定されている。その場所にあわせて蔵屋敷以外の駅前の道なども蔵屋敷の雰囲気を意識した工夫がなされていた。街灯や舗装などがそれにあたる。伝建地区というと観光地化しているイメージがあったが、栃木市はそれほど観光地化しておらず、生活感が残っていた。生活感というのは建物の色や素材からくるものや街並みがごちゃごちゃしてまとまっている感じがしないことからくるものと思われる。新しい家より年月のたった家のほうが多く見かけるし、同じ伝建地区でも金沢などのようにかっちりとしていない。そのような雰囲気は伝建地区以外の建物が醸し出すものであると思われる。自分としては、この先観光地化していくよりも地域全体ががんばっている、地方都市のよさをもっている今の栃木市を維持していってほしいと思った。

ルート
栃木駅集合(10:00)
①駅前再開発を観察
②例幣使街道(蔵造街並み保存地区)を散策
③市役所
④巴波川沿いを散策
昼食
⑤例幣使街道側道(蔵造街並み保存地区)を散策
考察・反省会
解散(15:00)

栃木市都市計画図
(栃木市ホームページより)

■写真
栃木市「蔵の街うまいもんマップ」栃木市観光協会ホームページより