研究
Research

豊かな食生活の実現

生活者のニーズや意識を把握し、豊かな食生活を実現する

消費者のニーズを明らかにする

現在、蛍光灯やLEDなどの人工光を用いて野菜を生産する「植物工場」が、世界的な注目を集めています。このような植物工場では、天候や病害虫の影響を受けないクリーンな室内で野菜を育てるため、農薬を使わない安心・安全な野菜の計画的な生産が可能です。最近では、葉が柔らかく苦味の少ないレタスや、ビタミン・ミネラルなどの栄養成分を強化したアイスプラントなど、様々な野菜の栽培が可能になってきています。

今後、健康で豊かな食生活を実現するためには、このような農産物に対して消費者が求めているものは何かを明らかにし、それに的確に対応した製品を届けることが不可欠です。アンケートやインタビュー調査、会場実験などによって消費者の声を収集し、データ分析を行うことで、どのような野菜が求められているのかを経済・経営学的視点から探っています。最終的には、生産者と消費者の情報共有やお互いの理解の促進を図るための方法も考えていく必要があります。

理解度やイメージの向上も大切

 大きな期待を集める植物工場ですが、工場野菜はまた流通を始めたばかりですので、人々に理解が浸透していない状況にあります。また、植物工場における栽培方法は従来の農法とは大きく異なり、専門性の高い分野なので、その特徴について一般消費者は理解しにくいようです。このような状況が続けば、植物工場産業の持続的な発展に支障をきたすおそれがあるため、効果的なマーケティング活動(商品パッケージ・広告等の工夫)や教育の推進によって、消費者の理解度やイメージを向上させる必要がでてくると考えられます。

植物工場は場所を選ばずにどこでも農産物の生産が可能なため、国内だけでなく海外での普及も見込まれています。しかし、的確なニーズの把握や消費者理解促進のための取組を行わなければ、植物工場産業は発展せず、世界中の人々の豊かな食生活を実現することはできないかもしれません。システムの開発や費用低減を目的とした技術的な研究だけでなく、消費者意識やニーズの把握、最適なビジネスモデルの構築などに関する研究もますます重要になるでしょう。

キーワード

アグリビジネス、マーケティング、消費者ニーズ、経済学、統計学

応用が想定される分野

政策決定、都市農業振興、マーケティング活動

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