環境ISOと東日本大震災復興ボランティアの活動を経て
氏名:勝美 直光氏
卒業学科/専攻:緑地環境学科 (2012年度卒)
勤務先:国土交通省(インタビュー時:外務省在ケニア日本国大使館)
写真:ケニア共和国マサイマラ国立保護区にて撮影
経歴:平成25年国土交通省入省。同省国土政策局離島振興課振興係長、都市局公園・緑地景観課景観企画係長、安全基準指導係長等を経て、令和2年3月より在ケニア日本国大使館二等書記官。
(インタビュー実施月:令和3年2月)
(インタビュアー:秋田 典子教授)
Q1.なぜ国土交通省を就職先として選択されたのですか?
A1.国土交通省を目指したきっかけは2つあります。
1つ目は、学生の時に委員長を務めていた松戸・柏の葉地区環境ISO学生委員会の石巻市雄勝町での被災地の復興ボランティア活動です。現地の状況がどのように変化していくのか、自分の目で確かめていきたいという気持ちになり、地域の方々の想いを受け止められるような政策を立案したいと思うようになりました。
※松戸・柏の葉地区環境ISO学生委員会の詳細は こちらから
2つ目は、千葉大学のインターンシップでの里山ボランティアの経験です。インターンを通じ、里山や都市の緑を残すには、国の制度も大きく関わっていることを知り、緑を活用しながら私たちの生活を豊かにしていく仕組みを作りたいと思うようになりました。
今は外務省でODA(政府開発援助)を担当し、ケニアで道路や港などをつくるプロジェクトに携わっています。国土交通省とは全く異なるフィールドでの仕事ですが、これまでの経験は生きていると感じています。
Q2.千葉大学では、どのような学生生活を送っていましたか?
A2.学生生活で一番印象深い思い出は、被災地での復興ボランティアです。
私が大学2年生の時、東日本大震災が発生しました。日本全体が大きなショックを受けましたが、国立大学唯一の園芸学部生の一人として、植物の力で被災地を元気にすることはできないかと思い、ボランティアを始めました。
現地に行くことは使命感もありましたが、仲間と協力しながら活動するのは楽しかったです。最初はボランティアとして楽しんで良いのか戸惑いもありましたが、地元の人と次第に仲良くなったり、一緒に活動する学生の仲間が増えてきたり、活動だけなく、人の繋がりが広がっていく過程を経験することができました。
この活動は今でも現役学生を中心に続けられており、OBOGも参加しているので、10歳以上も年の離れた学生と社会人が繋がる場にもなっています。いつかこのページを読んでいる人と、東北でお会いできた際には、是非声を掛けてくださいね。
※令和3年2月14日には、オンラインで「東日本大震災復興支援10年の軌跡」シンポジウムを開催しました。
また、環境ISO学生委員会の活動も充実した経験でした。
委員会の仲間たちと、学内の環境改善に係る様々な提案をし、先生方にサポートしていただきながら、実現していくことにやりがいを感じていました。どんな経験も学びだと感じると、将来に生きてくると思います。同じ研究室の仲間の研究対象地の現地調査を兼ねた卒業旅行も良い思い出です。アブに追われて逃げ回ったようなささやかな思い出が、意外といつまでも楽しかったと感じるものですね。
Q3.最後に、学生へのメッセージをお願いします。
A3.学生時代には、できるだけ沢山の人の話を聞くことが大事だと思います。
社会人になってしまうと、会社や組織の一員だと思われてしまうので相手も構えてしまう。一方、大学生に対しては、どんな人も本音で話してくれます。本音を聞くことができるのは大学生の特権だと思います。その特権を活かし、多様な価値観や経験に触れることで、自分がどう生きたいか、考えてみると良いと思います。
私は現在、海外で生活をしていますが、大学で学ぶ深い専門知識に加え、英語でのコミュニケーションがとれるようになると、将来の選択肢が広がると日々感じています。その点では、千葉大学が掲げるグローバル人材育成戦略は、学生時代に海外留学等の経験ができ、非常に魅力的だと思います。
千葉大学での4年間は終わってみると、本当に「あっ」と言う間でした。その限られた時間の中で、自分のキャリアデザインを描いていくことになります。
立ち止まること無く、何事にも果敢にチャレンジしてみてください。千葉大学には、そんな環境が整っていると思います。
勝美 直光さん、ありがとうございました!