~データ・資料をもとに農業者と向きあい、日本の農業を応援する仕事~
氏名:稲葉 紘子氏
卒業学科/専攻:食料資源経済学科(2010年度卒)、食料資源経済学専攻(2012年度修)
勤務先:株式会社日本政策金融公庫 (農林水産事業)
経歴:千葉大学大学院園芸学研究科博士前期課程修了後、2013年4月より現職
(インタビュー実施月:令和4年8月)
(インタビュアー:石田 貴士助教)
Q1.初めに、なぜ日本政策金融公庫に興味を持ったのですか?
A1. 大学の授業で、日本の農業従事者の高齢化や耕作放棄地の問題などを学び、農業・一次産業の支援ができる仕事をしたいと思うようになりました。政策金融公庫は、大学の会社説明会で偶然知り、大学の先輩が多いことや、農業者と向き合うことで、一次産業を支援できることに魅力を感じ、この仕事をしてみたいと思いました。実際に農林漁業者に会う機会も多くあり、現場から日本の農業を応援できることにやりがいを感じています。
Q. 園芸で学んだことが、今の職業に繋がっていますか?
A. 卒業論文、修士論文の執筆では、テーマを設定し、仮説をたて、検証し、結論を導き出すという一連のプロセスの中で論理的思考力を鍛えていただきました。根気強く論文指導をしていただいた指導教員の大江先生には感謝しています。その経験は、お客様と話をする際に、データ・資料からお客様の状況を分析し、そこから今後何をすべきかを提案する場面で活かされています。また、食品安全ビジネス論で学んだ食の安全や安心に関する知識は、食品製造をされているお客様とのコミュニケーションにも活かされています。
Q. 今後の展望、心掛けていることを教えてください。
A. 政策金融公庫では、融資業務だけではなく、多角的な視点で農業経営にかかる支援を行う必要があります。そのためには、最新の金融法務など自分で勉強しなければいけないことがたくさんあります。今後も新しい知識を積極的に取り入れ、農業者の経営改善に貢献できる、頼りにして頂ける公庫職員になりたいと思っています。
Q2.千葉大学では、どのような学生生活を送っていましたか?
A2. 1、2年生の頃は、千葉大学が総合大学であることの利点を活かし、西千葉キャンパスで法学部など他学部の授業も積極的に受講していました。座学だけでなく、柏の葉キャンパスでの農業実習も貴重な体験でした。授業以外では、スペインへのホームスティや青春18きっぷを利用して鹿児島まで旅行するなど、色々なことに挑戦をしてきました。どんなことにも積極的に取り組み、その経験は、失敗も含め大きな財産となっています。
Q. 園芸学部食料資源経済学科を志望した理由を教えてください。
A. 祖父母がみかん農家だったことと、食べることが好きだったこともあり、幼いころから農業や食に関心がありました。農業や食について学べる大学を探す中で、生産者側の視点だけでなく、消費者側の視点からも多角的に学べることに魅力を感じ、食料資源経済学科を志望しました。
Q3.最後に、学生へのメッセージをお願いします。
A3. 社会人になってから振り返ると、学生時代は、縛りがなく自由な時間で、あらゆる選択肢が選べ、体験できる貴重な時間だったと感じています。学生時代に学んだこと、経験したことは、後々どのように活きてくるかわかりません。学生の皆さんも、興味を赴くまま、様々なことに挑戦し、この先の人生につながる経験をしてほしいと思います。
稲葉 紘子さん、ありがとうございました!