~好きなことができるのは学生の特権!~

氏名:永井 朝樹さん
卒業学科/専攻:緑地環境学科(2015年度卒業)/環境園芸学専攻(2017年度修了)
勤務先:株式会社オオバ
経歴:千葉大学大学院園芸学研究科修了後、入社
(インタビュー実施月:2025年1月)
(インタビューアー:木下 剛 教授・野村 昌史 教授)
Q1.なぜ今の職場に入ろうと思いましたか?
就職活動中は建設コンサルタントで、なおかつ造園の部門がしっかりしている会社にいくつかエントリーしていて、その中で縁あってオオバに入ることができました。
同社には千葉大の先輩も何人かいたので、OB訪問を通して「在学中にやっていた研究や制作に近いことができる」とわかったことが入社の決め手になりました。
また、OBの方と話していて、「自分と似ている性格の方が多い職場だ」と感じて、そういう職場の方が働きやすいかなと思ったのも大きいです。
Q2.今はどのようなお仕事を主にされていますか?
主には都市公園の計画から設計、調査が多く、よく見かける小さな街区公園から大きな公園まで設計しています。まっさらな土地に公園を新設することもあれば、すでにある公園を改修やリニューアルすることもあります。
都市公園の計画設計は行政からの発注が多いので、市の担当者の考え方や市全体のあり方を踏まえて進めていきます。一方、民間の緑地の場合は事業者の意見を尊重しつつ、専門家として提案を行います。
公園を新設する場合は、自らがゾーニングや大まかなレイアウトを決めて、詳細な設計まで詰めていき、「それが本当に現実に形になるんだ!」と実感したときは感動します。一方で、「こんなふうになってしまうのか!自分はまだまだだな」と思うこともありますが、それはそれで面白かったりします。
とにかく、設計した空間がが現実のものになるというところがこの仕事の醍醐味だと思います。
Q3.就職する前と後とで仕事のイメージにズレはありましたか?
ランドスケープデザインというと、すごくクリエイティブな感じがありますが、実際は「面白い絵を描く」仕事は全体のほんの数%で、それ以外の細かい調整や事務的な作業が大部分です。ただ、それも「そういうものだな」と思っています。
また、すべての公園が良い条件の場所にあるわけではないので、「こんなところに公園をつくって、果たして誰が使ってくれるのか?」とか、「この仕事の意義は何なのか」と考えることもあります。でも、それが現実の仕事だと思って前向きに取り組んでいます。
Q4.次は、永井さんの大学生活について伺います。なぜ園芸学部に入ろうと思いましたか?
実は造園という分野はそれほど知っていたわけではなくて、自然とか緑に興味があり、漠然と「そういうことを学んでみたいな」と思っていました。
緑地環境学科の中で造園系に進んだのは、松戸駅周辺の環境を改善するアイディアを練るという、設計の入口のような授業を受けたことがきっかけです。
その授業では、自分なりに課題を見つけて提案し、意見を述べて講評してもらうという経験があり、とても新鮮で面白いと感じたのを覚えています。
Q5.研究室ではどのような学生生活を送っていましたか?
都市環境デザイン学の研究室を選び、さらに大学院に進学したのは、計画や設計の制作に力を入れていたこと、そして木下研究室で行っていた「千年村プロジェクト*」の調査活動が大きかったです。
研究室での活動や経験は、今の就職先を選ぶ際にも基礎になっていると思います。
研究室に入ってからは、毎日のように研究室に入り浸る生活でした。これは研究室の同級生の存在も大きかったです。
また、大学院に進んだことも自分の中では大きな意味を持っています。考える力とか、調べる視点とか、他分野と連携する楽しさとか、いろいろな面で成長ができたと思います。全員留学では色々と大変な経験もしましたが、学ぶことも多かったです。
※千年村プロジェクト:限界集落や過疎地域の持続可能な再生を目指した地域調査・提案プロジェクト
Q6.最後に学生へのメッセージをお願いします。
会社のOB訪問などで学生から「何か身につけておいたほうがよい能力はありますか?」とよく聞かれますが、学生生活は本当に自分の好きなことを突き詰められるとても貴重な時間だと社会人になって改めてと思います。ですので、社会人になってからのことを考えるよりも、「純粋にやりたいことをやるのが一番」だと思います。研究でも遊びでもアルバイトでも、やりたいことを挑戦してほしいです!
永井さん、ありがとうございました!