学生生活
Campus life

執行 宣彦

大学での学びが研究者への道につながる

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氏名:執行 宣彦氏
卒業学科/専攻:緑地環境学科(2013年度卒),環境園芸学専攻(2015年度修)
勤務先・職名:国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 立地環境研究領域 テニュア型任期付研究職員

経歴:2013年度千葉大学緑地環境学科卒業,2015年度千葉大学大学院園芸学研究科博士前期課程修了,2018年度東京大学大学院
農学生命科学研究科森林科学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員を経て,2020年度より現職。

(インタビュー実施月:令和3年7月)
(インタビュアー:梅木 清教授)

Q1.初めに、なぜ研究者を目指されたのですか?

A1. 小学生の頃,横浜に住んでいて,カブスカウト(小学生向けボーイスカウト)入っていました。キャンプなどで自然を体験する中で,自然に対して興味を持つようになりました。千葉大学に入学し,生態学を専門とする研究室に入り,東京大学秩父演習林などで,植物・カビ・キノコ・バクテリアが,時に協力し,時に争って生きていることを勉強しました。しかし,このような生物同士の関わり合いは,実は,あまり解明されていないということも分かりました。そして,これを自分で明らかにしたいと思い,土壌微生物を専門とする研究者になりました。
 研究者を目指す過程で思い出になっていることは,千葉大大学院で受講したプロジェクト演習という科目です。
この演習では,房総半島先端近くの君津市で,キヨスミミツバツツジが期待するほど開花しないという地域の問題に取り組みました。自分たちで,基礎的な調査を計画・実施し,最後は具体的な植物管理方法の提案までしました。大学での研究はともすると社会から離れた基礎研究になりがちですが,この演習には研究成果の社会実装まで含まれ,貴重な体験となりました。今の職場の森林総合研究所では,研究成果の社会還元が求められます。この演習での体験は現在の仕事につながっているとも感じます。

Q2.千葉大学では、どのような学生生活を送っていましたか?

A2. 千葉大学は総合大学で,色々な関心をもつ多様な学生がいます。これが,千葉大学に進学した理由の一つです。大学入学後に,吹奏楽団やジャズ研に所属してサックスを吹いていましたが,ここで,色々な学部の学生と広く付き合い,楽しい経験をしました。吹奏楽団やジャズ研では,異なる楽器を持つ多くの人が協力して,一つの音楽を作ります。様々な楽器の間のpersonalなinteractionが,有機的に統合され,一つのfunction=音楽になるわけです。このプロセスは,異なる生物間の関わり合いが統合され,様々な機能を持つようになる生態系のあり方と非常によく似ています。総合大学での色々な人との付き合いが,今の研究にもつながっていると感じています。

Q3.最後に、学生へのメッセージをお願いします。

A3.
学部学生に・・・

私が所属していた緑地科学プログラムを例に挙げると,このプログラムには,遺伝学や生態学などの基礎科学と保全やランドスケープなどの応用科学があり,幅広く,バランスが取れた構成でした。このように大学には,色々な分野がありますので,やりたいことは必ず見つかると思います。面白そうなものを見つけ,どんどん挑戦してみてください。

大学院生に・・・
研究テーマを先生から与えられることも多いと思います。そういった場合も,関連する分野を調べ,自分がやっていることをその中に位置付けて,自分のテーマの見つめ直しをしてみてください。研究の意義や目的がはっきり認識できると,研究が楽しくなると思います。現在の状況で,研究者になるには数々の大変なことがあります。しかし,自分の興味があることを自分のスタイルで追求できることは研究者の魅力的の一つです。研究者になることも可能性の一つとしてぜひ考えてください。

執行 宣彦さん、ありがとうございました!

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