学生生活
Campus life

堤 も絵氏

化粧品会社の研究職に就いて

マスコット正面_名札付き_マツ - コピー.png

氏名:堤 も絵氏
卒業学科/修了専攻:園芸学部応用生命化学科卒業(2002年度卒)、
          大学院園芸学研究科応用生命化学領域修了(2004年度修)
勤務先:資生堂株式会社

経歴:2002年度千葉大学園芸学部応用生命化学科卒業、2004年度千葉大学大学院自然科学研究科修了、2005年資生堂株式会社に入社。2009年度広島大学大学院統合生命科学研究科にて理学博士取得。

(インタビュー実施月:令和3年12月)
(インタビュアー:江頭 祐嘉合教授、児玉 浩明教授)

Q1.初めに、なぜ研究職を目指されたのですか?

A1.単純に生物学を学んでいるとわくわくするなと感じていたことと、実験することもただただ面白く、好きでした。知識や経験を得て、自身で研究を立案推進できたら素敵だなという憧れのような気持ちで、研究を職業にしたいなと思いました。

 Q.仕事の内容はどうですか?

 A.入社以来一貫して基礎研究を行っています。主にヒトの表皮細胞、iPS細胞由来の神経細胞や皮膚組織を使って研究  しています。最近はメルケル細胞という感覚神経の末端と接し、軽い接触の感知に関与するとされる細胞を対象に研究を進めていました。指先・口唇・毛包など、感覚の鋭敏な部位に多く存在する細胞です。化粧品の塗布行為と非常に関連が深いものの、実験のための扱いが難しく、世界的にも研究者が多くないこの細胞を化粧品会社が研究対象とすることは異例とも言えました。我々は、主に指先で研究されてきたこの細胞の顔面皮膚における形態および分布を観察し、さらに、触覚受容器であるメルケル細胞に嗅覚受容体が発現していることをドイツの共同研究先とともに発見しました。この研究の成果により、化粧品業界で最も権威のあるIFSCC(The International Federation of Societies of Cosmetic Chemists)で最優秀賞を受賞しました。

 Q.園芸学部で学んだことは役立ちましたか?

 A.児玉研究室は自由な雰囲気の反面、自身に責任を委ねられていたので、常に自分で考えて実験を進めるという力が養われました。

 Q.仕事で心がけていることは何ですか?

 A. 化粧品分野においてはあまり研究されていない領域に挑戦してきたので、独りよがりにならないように、何事にも「客観的」に対応することを心がけています。

Q2.千葉大学では、どのような学生生活を送っていましたか?

A2.大学院生時代は外部の研究機関で、自閉症モデルマウスを使い治療を目指した研究をしていました。その一方で、研究室の友人たちと食べ歩いたりインドやトルコ旅行に行くなど楽しんでいました。当時松戸から西千葉への研究室の引っ越し作業があり、学生も総動員でがんばったこともあって懐かしく感じられます。

 インタビュアー:指導教員(児玉教授)の話によると、自分の意見をはっきりと述べ、主張が出来るとてもパワフルな学生だったそうですね。

 堤さん:はい。言われたことを行うより、自分で自主的に行うことが好きでした。

 Q.化粧品会社を選んだ理由は?

 A. 病気の治療より予防に貢献できる化粧品会社を選びました。

Q3.最後に、学生へのメッセージをお願いします。

A3.とにかく最後は根性です。根性であらゆることを乗り越えてください。先生に「わがまま」だなと思われるくらい、もっと自分の意思を主張して、勉学してみたらいいと思います。 何でもよいので、なにか1つのことをやり遂げてください!



堤さん、ありがとうございました!

▲ PAGE TOP